数値解析ソリューション

変形性DEMを用いた2次元落石解析

地層科学研究所では、ITASCA社が開発した不連続性岩盤解析用2次元個別要素法解析ソフトウェアUDEC*を用いて、落石・岩盤崩落シミュレーション業務を行います。斜面の地形のみならず、崩落する岩塊の形と大きさを忠実にモデル化した上で、刻々と落下する様子を追跡できます。また、速度やエネルギーを出力しますので、対策工設計に貢献します。

*UDECは米国ITASCA Consulting Group, Inc.の登録商標です。

個別要素法UDECの特長

UDECでは、崩落岩塊が斜面に衝突した時の跳ね返りの程度を表す反発係数、滑落している時のすべり摩擦角、崩落岩塊の密度(単位体積重量)を与えることにより、落石・崩落シミュレーションが実施できます。また、UDECは次のような特長を有しています。

  • 非質点系のシミュレーションです。
  • 崩落岩塊は多角形ブロックとしてモデル化しますので、より実際に近いモデル化が可能です。
  • 滑り・ころがり・飛行・衝突は、時間を追って自動的にシミュレートされます。
  • 亀裂により分割された複数の崩落岩塊は、相互に衝突しながら落下・崩落します。
  • 「落石対策便覧に関する参考資料(日本道路協会/平成14年4月)」には、UDECによる多くの解析事例が掲載されています。

落石の解析例

図1と図2に解析モデルを示します。道路より50m上方からの落石に対し、道路がうける影響を評価することを目的としています。
図3~図6には、岩塊の崩落過程と崩落軌跡を示しました。岩塊の落下から、分離した岩塊同士の相互作用、岩盤斜面への衝突などの様子が表現されていることがわかります。また、これらの過程における各岩塊の速度、運動エネルギー、崩落軌跡などを数値で取り出すことができ(図7~図9)、対策工の設計などに情報を提供します。
地層科学研究所では解析業務をお引き受けし、斜面防災関連業務をご支援します。

図1 解析モデル(UDEC)
図1 解析モデル
図2 崩落岩塊の拡大図
図2 崩落岩塊の拡大図
図3 解析結果(1秒後)
図3 解析結果(1秒後)
図4 解析結果(2秒後)
図4 解析結果(2秒後)
図5 解析結果(3秒後)
図5 解析結果(3秒後)
図6 解析結果(最終停止8秒後)
図6 解析結果(最終停止8秒後)
図7 併進速度の変化(グラフ)
図7 併進速度の変化
図8 角速度の変化(グラフ)
図8 角速度の変化
図9 エネルギーの変化(グラフ)
図9 エネルギーの変化
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