数値解析ソリューション

粒状体モデルを用いた解析

これまでマクロな系として取り扱ってきた地盤の複雑な振る舞いを、ミクロなメカニズムで捉える粒状体シミュレーションが注目され、現場での調査や危険度予測に用いられるようになりました。地層科学研究所では、この一環として、米国ITASCA社が開発・提供している3次元粒状体個別要素法解析ソフトPFC3D(*) を用いた粒状体シミュレーション業務を行っています。対象地盤を多数の微小な球の集合体でモデル化し、道路陥没、トンネル施工中の切羽崩壊斜面の表層崩壊などをリアルに表現します。また、シミュレーション結果は効果的な対策工の検討にも有用です。

(*)PFC2Dは米国 ITASCA Consulting Group, Inc.の登録商標です。

トンネル切羽崩壊シミュレーション

近年、都市部でのトンネル施工は、低土被り、かつ、軟弱な地質条件の立地で要求されることが多く、地表面沈下の抑止や切羽崩壊の防止を目的とした工法の検討がなされます。特に、切羽崩壊を防止する補助工法などを数値シミュレーションにより検討する場合、切羽前方地山のゆるみにより、土砂がトンネル内部に流入する状況を再現することがまず必要です。事例では、土被り10(m)の砂質地盤(内部摩擦角40度相当)に掘削施工中の鏡部が突如崩壊した場合を想定しています。鏡部より土砂がトンネル内部へ流入し、崩壊領域が鉛直状に地表へと進展し、地表面の陥没を引き起こした様子が再現されています。

図1 トンネル崩落のシミュレーションモデル
図1 トンネル崩落のシミュレーションモデル
図2 切羽の崩壊挙動(0.2秒後)
図2 切羽の崩壊挙動(0.2秒後)
図3 切羽の崩壊挙動(1秒後)
図3 切羽の崩壊挙動(1秒後)
図4 切羽の崩壊挙動(15秒後)
図4 切羽の崩壊挙動(15秒後)
図5 切羽上方の地表面沈下(15秒後)
図5 切羽上方の地表面沈下(15秒後)
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