技術資料
やわらかサイエンス
「バイオマスエネルギーって何?」
近年、バイオマス、バイオレミディエーション(bio remediation,生物体を利用した浄化)などといった言葉が頻繁に使われるようになっていますが・・・・・
【バイオマス】とは、いったい何なのでしょうか?
バイオマスとは、(燃料としての)生物資源を意味します。バイオマスという言葉は耳に新しいかも知れませんが、バイオマスエネルギーの用は、全く新しい技術ではありません。古くから利用されている、薪・木炭や家畜の糞等もバイオマスであり、そのバイオマスを燃料(エネルギー)として利用している例なのです。
昔は、薪や木炭を直接燃焼し、エネルギーとして利用していましが、現代では、生物化学返還、ガス化などの熱化学変換・化学合成によって燃料化をしています。
例えば近代バイオエネルギー開発・利用方法の一つとして、家畜の糞尿を発酵し、メタンガスを発生させ、そのメタンガスを利用してタービンを回し、発電をする、という技術があります。このメタンを回収する設備は、バイオガスプラントと呼ばれます。このバイオガスプラントは電力を供給するだけでなく、糞尿および有機廃棄物処理、そして資源再利用の場所として、注目を浴びています。
バイオマスは、光合成などにより、炭素を体内に蓄積させるのが最大の特徴です。バイオマスの一つである薪を例に考えてみましょう。薪の燃焼により発生する二酸化炭素は、樹木の光合成に利用され、酸素と有機化合物となります。
光合成により成長した樹木は、やがて燃料となる薪を供給し、その薪の燃焼は樹木の成長に不可欠な二酸化炭素を供給します。このように、バイオマスには、固定した二酸化炭素と排出される二酸化炭素のサイクル、バランスというものが存在します。バイオマスエネルギーの消費と生物育成のバランスを保ちながらバイオマスを利用することにより、地球環境と共生していくことが出来るはずです。
参照
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 https://www.nedo.go.jp
※上記Webサイト最終参照日:2022年10月