技術資料
地質モデリング
09.相模層群をモデル化する
担当:冨永 英治
2022.05
前回(第7回中津層、鷹取山層、上総層群をモデル化する)は、新第三系の「中津層」「鷹取山層」「上総層群」をモデリングしました。今回からは、とうとう第四系に入っていきます。そのうち、今回は、更新統から後、最終間氷期までの「相模層群」をモデル化します(およそ数10万年から12.5万年前までの間)。
相模層群は、これまで作成した分厚い地層と大きく異なり、細かい薄い水平層が主体となっていきます。そのため、推定線もそれに合わせて水平方向に伸ばすような線を描いていきます。
モデル化した地層は、相模層群とよばれる地層群でその構成は、大場砂礫層、下庭層、座間丘陵層、藤沢ローム層、早田層、早田ローム層、七国峠層、七石峠ローム層、土屋層、土屋ローム層、下末吉層、下末吉ローム層となります。それよりも古い地層に比べてかなり、1層1層が細かくなり、地層同士の重なり合いが複雑になってきます。
(1)層境界を推定線で引く
相模層群は、細かい薄い水平層が主体となっていきます。そのため、推定線もそれに合わせて水平方向に伸ばすような線を描いていきました。
(2)境界線設定をして地質推定する
描いた線は、上下関係をよく確認し、プライオリティ(優先度)を設定します。その後は、地質推定を実行します。その推定結果は以下の通りです。
作成したモデルでも下位の層準の分厚い第三系の地層(下図の赤色点線が四系/三系境界)の上に、細かな第四系の地層が累重していることが確認できます。しかし、さらにこの上に最終間氷期以降の地層がさらに細かく重なっていきます。その様子は、次回以降に紹介します。