発表論文

数値シミュレーション関連

A method for rockfall risk quantification and optimal arrangement of protection structures along a road

著者

Hasuka Kanno(森北出版(株)),Shuji Moriguchi(東北大学 災害科学国際研究所), Yuto Tsuda(東京都市大学大学院),Shoji Iwanaga(地層科学研究所)

概要

落石被害のリスク低減のために落石防止構造物の設置を支援する新しいフレームワークの導入を目的とし、道路のリスク分析と落石防護構造の最適な配置を計画する計算手法を提案する。3次元数値解析法を用いた落石軌跡のシミュレーションからリスク解析に必要なデータを得る。そして、岩塊量と落石頻度の関係、岩塊の移動量、危険な要素の脆弱性などを考慮して一定期間の自動車交通の危険度を定量化し、予算制約を満足しつつ道路上の総リスクを最小化することを目的としたナップザック問題を解く。提案手法を実際の現場に適用し、費用対効果を最大化する保護構造物のレイアウトを導出できることを示した。得られた構造物保護計画の結果は、道路管理者の意思決定を支援するために利用することができる。
2023.03更新  
3次元個別要素法岩盤崩壊シミュレーションにおける模型による崩落岩塊モデル作成の試み

著者

中川光雄(地層科学研究所),阿部 正・猪股慶久((株)メイセイ・エンジニアリング), 大場久義(国土交通省北海道開発局留萌開発建設部留萌開発事務所)
  • 土木学会,第49回岩盤力学に関するシンポジウム講演集,2023年1月,講演番号50

概要

岩盤崩壊の対策計画立案のために予測・評価シミュレーションを用いる場合に、岩塊のモデル化に模型を利用する意義や課題について考察した。多様で明瞭な亀裂を含む凸状露岩を対象として、現地調査で得られた情報を用いて可能な限り精度の高い岩塊模型を作成する方法で、岩塊群全体と個々の岩塊を任意多面体としたモデル化を試み、デジタル化したデータを用いて3次元個別要素法による崩落シミュレーションを実施した。すべりや転がりを伴う岩塊の相互接触など、岩塊を任意多面体でモデル化したことによる特徴的な運動を得られたことを報告する。
2023.01更新  
仮想ドレーンモデルによる地すべり地の排水ボーリングの効果予測

著者

細野賢一(地層科学研究所),若井明彦(群馬大学), 蚊爪康典(応用地質(株))
  • 日本地すべり学会,第61回研究発表会 福岡大会,1-1

概要

地すべり地での排水ボーリング効果予測にあたり、不均質な地盤中に排水構造を反映した解析メッシュを生成するためには多大な労力が必要となる。また、解析対象領域のスケールに対して排水ボーリング径が小さいことから、近傍の解析メッシュの細分化による節点総数の増加、それに伴う解析時間が長期化する。このような課題を解決する方法として、抑制工を解析メッシュとして表現せずとも、排水効果を含む地下水流れのシミュレーションが行える手法を考察し、本研究では、地すべり地で計画される抑制工について、仮想ドレーンモデルを用いた計算事例を示す。
2022.10更新  
Reinforcement Measures for Tunnels with Large Deformation and Verification by Deformation Analysis

著者

K. Sakai(愛媛県土木部道路建設課), Y. Furuya((株)大林組), M. Matsumoto((株)大林組) and K. Sugawara(地層科学研究所)
  • ITA-AITES World Tunnel Congress, WTC2022 and 47th General Assembly Bella Center, Copenhagen 22-28 April 2022

概要

During excavation of the Matsukaya Tunnel in fragile pelitic schist, a horizontal displacement of up to 770 mm occurred on one sidewall, damaging the primary support and heaving the invert. To stabilize the tunnel during excavation and to prevent the deformation risk during service, the invert was reinforced with struts and the lining was fiber-reinforced. Moreover, a numerical analysis was performed to reproduce the actual phenomenon of the decrease in the ground strength after plasticization, and the effectiveness of the countermeasures was confirmed. This paper describes the deformation countermeasures during tunnel excavation in pelitic schist and the verification results of the deformation mechanism by numerical analysis.
2022.09更新  
青函トンネル作業坑・先進導坑における変状現象の数値解析による評価

著者

今泉光智哲・野城一栄(鉄道総合技術研究所)、小原雄一(鉄道建設・運輸施設整備支援機構)、眞野宏之(地層科学研究所)
  • 令和4年度土木学会第77回年次学術講演会,2022年9月,III-160

概要

青函トンネルの作業坑と先進導坑における、これまでの数値解析の結果とコアの室内試験結果とを比較して、解析結果の妥当性を確認した結果と断面形状別に地山劣化にともなう変状の傾向について報告する。
2022.09更新  
AIによる地山の透水係数の同定と予測解析への適用性

著者

福田 毅・吉河秀郎(清水建設(株))、細野賢一・岩永昇二・佐ノ木哲(地層科学研究所)
  • 令和4年度土木学会第77回年次学術講演会,2022年9月,VI-814

概要

デジタルツインの概念を基本に山岳トンネル掘削時に取得される情報のうち「切羽湧水量」を仮想空間に再現し、近い未来に生じる予兆を精度よく予測する基本システムを構築した。 この基本システムのAI部(透水係数の同定)において、精度向上を目的に一部改良を行い、その成果を報告する。
2022.09更新  
DFNモデルを用いた坑道掘削解析における解析領域の影響

著者

石橋正祐紀・三好貴子・升元一彦(鹿島建設(株))、竹内竜史((国研)日本原子力研究開発機構)、川原秀二・関野真登(地層科学研究所)
  • 令和4年度土木学会第77回年次学術講演会,2022年9月,CS12-26

概要

DFN モデルを用いた浸透流解析における解析領域の影響の検討事例として、日本原子力研究開発機構の瑞浪超深地層研究所の割れ目密度が低い地質で取得されたデータに基づき推定されたパラメータセットを対象として、坑道湧水量解析に対する解析領域の影響について報告する。
2022.09更新  
地盤改良体のひずみ軟化を考慮した弾塑性FEM によるPHC杭の水平載荷試験の再現解析

著者

菊地 輝(群馬大学)、鎌田敏幸(ケミカルグラウト(株))、若井明彦(群馬大学)、岩永昇二(地層科学研究所)
  • 第57回地盤工学研究発表会,2022年7月,一般セッション/6. 地盤と構造物 (動的問題を含む),[22-6-1-07]

概要

杭基礎の補強における増杭に代わる方法として、高圧噴射撹拌式の地盤改良工法による補強が考えられる。 既往の研究より地盤改良による補強効果(水平抵抗力の増加)が確認されているが、杭と地盤改良体の複合構造としての補強メカニズムは未解明な部分が多い 。本研究は、高圧噴射撹拌式の地盤改良を施したPHC杭に対する既報告の水平載荷試験について、弾塑性FEM解析で再現を試みた。
2022.07更新
地すべり斜面における抑制工の最適構造選定のための3次元浸透流と変形解析の利用

著者

細野賢一(地層科学研究所)、蚊爪康典(応用地質(株))
  • 計算工学,Vol.27 No.2,(2022年5月)

概要

地すべりの抑制工の配置条件による地下水低下効果の違いや、それによる地すべり変位の抑制状況を推定するため、地下水位分布よりすべり面の水圧を求め、これを応力解析に反映する方法で安定解析を実施した例を紹介する。 抑制工による地下水位低下予測には、筆者らが考案した仮想ドレーンモデルと呼ぶ、排水ボーリングをモデル化せずとも、これと同等の効果が表現できる浸透流解析手法を適用した。
2022.05更新
仮想ドレーンモデルを用いたトンネル坑内湧水量予測の高度化に関する研究

著者

細野賢一(地層科学研究所)、福田 毅・藤野 晃(清水建設(株))、江島 武((独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構)、若井明彦(群馬大学)
  • 土木学会論文集F1(トンネル工学),2022年78巻1号,p.1-12,(2022年1月)

概要

トンネルなどの地下構造物の掘削工事で発生する坑内湧水量を予測する手法のひとつに3次元浸透流解析が挙げられるが、解析作業に多大な労力が必要となる。この課題を解決するため、トンネルをモデル化せずに、その存在を考慮して3次元浸透流解析手法「仮想ドレーンモデル」を考案した。これを用い、均質および不均質な地質構造を想定して従来のモデリング方法との比較検証を行った。また、実現場のモデル化を行い、実測の坑内湧水量を再現対象とした実証解析を実施し、いずれも良好な結果を得た。
2022.03更新
Variation in fault hydraulic connectivity with depth in mudstone:
An analysis of poroelastic hydraulic response to excavation in the Horonobe URL

著者

Yusuke Ozaki・Eiichi Ishii(日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センター),Kentaro Sugawara(地層科学研究所)

概要

Faulted mudstones have low effective hydraulic conductivity if the faults have limited hydraulic connectivity. Therefore, the hydraulic connectivity of faults is a crucial consideration in the geological disposal of high-level radioactive waste. There is a simple method based on single-borehole investigations to classify domains of faults in mudstone as having either high or low hydraulic connectivity. However, the nature of the hydraulic connectivity's transition with depth around the boundary between domains of faults with high and low hydraulic connectivity remains poorly understood. At the Horonobe Underground Research Laboratory (Japan), three shafts have been excavated in a Neogene siliceous mudstone, and hydraulic pressure has been monitored at boreholes during the laboratory's construction and operation. This study analyzed long-term hydraulic pressure data to estimate the variation of effective hydraulic conductivity and explore the nature of the variation of fault hydraulic connectivity with depth around the predicted boundary (at~400m depth) between domains of faults with high and low hydraulic connectivity (with less connectivity below the boundary). As the observed hydraulic pressure was greatly affected by the Mandel-Cryer effect, numerical simulations considered poroelastic effects. They showed that the effective hydraulic conductivity gradually decreased from ~400 to~500m depth, becoming comparable with that of intact rock below ~500m. Theoretical analysis of the observed data also indicated the same variation with depth. These results suggest that the hydraulic connectivity of faults does not change abruptly, but instead varies gradually over several tens of meters around the domain boundary.
2022.02更新
数値解析を用いたトンネル覆工における繊維シート接着工の適用性検討

著者

森本真吾(ドボクリエイト(株))、菅原健太郎(地層科学研究所)、田部美月((株)ケー・エフ・シー)、林 久資(山口大学大学院 創成科学研究科)
  • 第27回地下空間シンポジウム論文集,2022年1月

概要

山岳トンネルの維持管理段階において、偏土圧などに伴う外力性と推定される変状がみられることがあり、必要に応じて補修や補強工法の適用について検討が行われている。トンネル覆工の補強工法の選定については点検要領に基づいて行われるものの,定量的な手法は確立されておらず技術者の判断に委ねられる部分が大きい。
そこで、繊維シート接着工の補強効果を適切に表現できるようにモデルを構築し、繊維シートとトンネル覆工の界面におけるはく離や滑りを表現した。その結果、平面ひずみの条件下で繊維シート接着工の補強効果を確認した。本報告では,局所的・帯状に代表される偏土圧によるせん断・斜め方向ひびわれなどといった三次元的な変状に対して,本検討手法の適用可能性について検証した。
2022.01更新
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固相内拡散を接続した移流分散モデルによる見掛けの分配係数の評価

著者

肴倉宏史((国研)国立環境研究所)、細野賢一・河原裕徳・横山裕之(地層科学研究所)
  • 第14回環境地盤工学シンポジウム(地盤工学会),2021年9月

概要

汚染物質の挙動のメカニズムのうちの固相内拡散と吸脱着平衡を接続したバッチ試験モデル(本稿ではDF-Kdモデルと呼ぶ)を作成し、汚染物質の溶出や吸収現象を考察した。その結果、例えば吸収側の現象に着目すると、固相内拡散係数が小さければ、汚染物質は固相内へより速やかに吸収されるため、例えば24時間の固液接触時間で得られるKdは、見かけ上、より大きな値となることが示唆された。 そこで本稿では、DF-Kdモデルを用いて、さらに液固比(LSbatch)やKd がバッチ試験での汚染物質の挙動に与える影響を評価するとともに、バッチ試験で得られる見かけの分配係数(Kd_app)等のカラム通水試験等の移流分散場での有効性について検討を行った。
2021.09更新
固相内拡散と吸脱着平衡を接続した物質移動モデルによる汚染物質の吸収現象に関する考察

著者

肴倉宏史((国研)国立環境研究所)、細野賢一・河原裕徳・横山裕之(地層科学研究所)
  • 第26回 地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会,2021年6月

概要

微量汚染物質を含む土や地盤材料の溶出経路による土壌・地下水汚染の可能性を評価するには、地盤を構成する土や材料について、汚染物質の拡がり方やある地点での地下水濃度の変化を的確に捉える必要がある。そこで汚染物質の移動機構のうち、固相内拡散、吸脱着平衡、および境膜拡散を接続した物質移動モデルを作成し、バッチ試験モデルにより汚染物質の吸脱着現象の説明を試みた。バッチ溶出試験や吸着試験における固相および液相濃度の経過は固相内拡散の関与によって全く異なることをモデル計算によって示した。
2021.09更新
高圧噴射撹拌工法により補強されたPHC杭の水平載荷試験の弾塑性FEM解析

著者

菊地輝(群馬大学)、鎌田敏幸(ケミカルグラウト(株))、若井明彦(群馬大学)、岩永昇二(地層科学研究所)、坂東直哉(元群馬大学)
  • 第56回地盤工学研究発表会,2021年7月,一般セッション/6.地盤と構造物/杭基礎(4),[13-8-1-01]

概要

上部構造物がある状態での増杭に代わる方法として高圧噴射撹拌式の地盤改良工法による増強が考えられる。本研究では、高圧噴射撹拌式の地盤改良を施したPHC杭に対する既往の水平載荷試験について、弾塑性FEMで再現を試みた。補強された杭基礎の水平抵抗特性の把握に対する弾塑性FEMの有効性、また今後実施予定の実大水平載荷試験に関する課題抽出を行った。
2021.07更新
仮想ドレーンモデルを用いた3次元浸透流解析による抑制工の効果予測

著者

細野賢一、若井明彦(群馬大学)、永田雅一・上原舞・星野光男(国土交通省関東地方整備局利根川水系砂防事務所)、山本優介(地層科学研究所)
  • 第56回地盤工学研究発表会,2021年7月,一般セッション/7.地盤防災/地盤補強・対策,[13-10-3-07]

概要

斜面災害対策のための抑制工の効果を検証する方法の1つに3次元浸透流解析手法が挙げられる。解析モデルの構築に要する労力や時間が課題となり実績は多くない。具体的には、数百メートルから数キロとなる解析対象範囲に対して、水抜きボーリングの径は約6cm~10cm程度であり、これを3次元座標に空間配置させた上で解析メッシュを発生させることは難易度が高いモデリングとなる。そこで、このようなモデリングに対する課題を解決するため抑制工をモデル化せずにその効果を解析することができる仮想ドレーンモデルと称する浸透流解析手法を考案した。本研究では国土交通省関東地方整備局の直轄地すべりである譲原地すべりを対象として、本手法の適用性を確認した。
2021.07更新
高圧噴射撹拌工法により補強されたPHC杭の水平載荷試験の弾塑性FEM解析

著者

菊地輝(群馬大学)、鎌田敏幸(ケミカルグラウト(株))、若井明彦(群馬大学)、岩永昇二(地層科学研究所)、坂東直哉(元群馬大学)
  • 第56回地盤工学研究発表会,2021年7月,一般セッション/6.地盤と構造物/杭基礎(4),[13-8-1-01]

概要

上部構造物がある状態での増杭に代わる方法として高圧噴射撹拌式の地盤改良工法による増強が考えられる。本研究では、高圧噴射撹拌式の地盤改良を施したPHC杭に対する既往の水平載荷試験について、弾塑性FEMで再現を試みた。補強された杭基礎の水平抵抗特性の把握に対する弾塑性FEMの有効性、また今後実施予定の実大水平載荷試験に関する課題抽出を行った。
2021.07更新
トンネル覆工補強工の定量的選定に向けた数値解析的検討の適用性

著者

岡部 正((株)ケー・エフ・シー)、岸田 展明(ドボクリエイト(株))、菅原健太郎(地層科学研究所)、林 久資(山口大学大学院 創成科学研究科)
  • 第26回地下空間シンポジウム論文集, 2021

概要

山岳トンネルの維持管理段階において、緩み土圧、偏土圧、塑性圧などに伴う外力性と推定される変状がみられることがあり、必要に応じて補修や補強工法の適用について検討が行われている。しかしながら、トンネル覆工の補強工法の選定については点検要領に基づいて行われるが、定量的な手法は確立されておらず、技術者の判断に委ねられる部分が大きい。
本研究では、繊維シート補強工の補強効果に着目し、いくつかの外力性の変状パターンについて想定し、補強工法として施工実績が比較的多い「繊維シート接着工」を適用した際の数値解析的検討を行った。その結果、繊維シート接着工の補強効果については、外力性の変状パターンごとの作用効果について数値解析によりある程度の評価ができることが確認された。
2021.01更新
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Poroelastic response of fractured mudstone in the Horonobe URL: A possible indicator of fracture hydraulic disconnectivity

著者

尾崎 裕介・石井 英一((国研)日本原子力研究開発機構 幌延深地層研究センター)、菅原健太郎(地層科学研究所)
  • CouFrac2020: The 2nd International Conference on Coupled Processes in Fractured Geological Media: Observation, Modeling, and Application - an ISRM Specialized Conference, November, 2020

概要

幌延深地層研究センターでは、幌延深地層研究所(URL)の建設時の地質環境に対する掘削影響を評価するために間隙水圧のモニタリングが実施されている。立坑から160m離れた観測孔では、立坑が250mの高透水層に到達したことによる湧水量の増加に伴って観測された間隙水圧は低下し始めた。一方で、 450m以浅で観測された別の観測孔についても間隙水圧は低下し続けたが、500m以深の低透水層で観測された間隙水圧はわずかに上昇し、数年にわたり初期よりも高い値が観測された。これらのことを評価するため、多孔質弾性論の効果の有無によるシミュレーションを実施した。URL周辺の水理地質構造は、単純な3層の水平成層構造でモデル化した。結果、500m以深の間隙水圧は、透水係数が高透水層より2~3オーダー低い場合において上昇することが示された。このわずかな間隙水圧の上昇は、多孔質弾性論を用いたモデルにより再現することができた。このような現象は、一般にMandel-Creyer効果によって説明することができる。
2020.11更新
斜面崩壊における粒状体個別要素法の実業務への適用検討

著者

中川光雄(地層科学研究所)
  • 第10回土砂災害に関するシンポジウム(10th-SSRD),2020年9月.

概要

本報告は、斜面崩壊による土砂の運動特性や到達範囲を粒状体個別要素法を用いて予測する際、原位置試験や調査から一般的に得られる地盤物性に基づいて粒子間接触モデルのパラメータ,および,粒子構造の配置を合理的に決定する一連のシステムを示した。 (使用解析プログラムはPFC ver 6(米国、Itasca社製))
2020.10更新
浸透流解析を用いた廃棄物最終処分場の底面遮水工への揚圧低下検討

著者

細野賢一(地層科学研究所)、大野博之((株)環境地質)、山内一志((株)建設工学研究社)、登坂博行((株)地圏環境テクノロジー)
  • 第55回地盤工学研究発表会,2020年7月,6.地盤と構造物(動的問題を含む),廃棄物処分場(1)

概要

切土や盛土等の整地を行い建設された処分場では、切土法面や底面遮水工は地下水による楊圧を受け、法面崩壊や遮水工の破断等の事態に至ることが懸念される。このような事態の対策として、地下水集排水管等による水抜き対策が実施の効果を見据えた上で、配置や設置本数などを決定することについては課題がある。 そこで本研究では、3次元浸透流解析手法を用いて楊圧状態を把握し、仮想ドレーンモデルを用いて楊圧を低下させる地下水集排水管の配置構造の最適化を試み、同手法の有効性を確認する。
2020.7更新
物理モデルの違いが3次元落石軌道シミュレーションに及ぼす影響

著者

菅原蓮華(東北大学大学院)、寺田賢二郎・森口周二(東北大学 災害科学国際研究所)、津田悠人(東京都市大学大学院)、吉田郁政(東京都市大学)、岩永昇二(地層科学研究所)
  • 第25回計算工学講演会,Vol.25(2020年6月)

概要

落石リスクのハザード分析やリスク評価に数値シミュレーションが広く用いられている。本研究では、落石の数値シミュレーションに用いられている質点系シミュレーションと非質点系シミュレーションの両方を用いて同一斜面上での落石シミュレーションを実行し、物理モデルの違いがシミュレーション結果に及ぼす影響を具体的に調べる。加えて岩塊形状の表現精度の違いによるシミュレーション結果の変化に関しても、同様に調べる。 最終的に、道路防災のための予測ツールとして用いる物理モデルの適切な選択について考察する。

※本論文内に掲載されている可視化画像が、第25回計算工学講演会・グラフィックスアワードにて、「グラフィックスアワード最優秀賞」および「グラフィックスアワード 特別賞(Meshman賞)」を受賞しました。
2020.7更新
地山を粒状体としてモデル化したトンネル逐次掘削解析の試み

著者

中川光雄(地層科学研究所)
  • トンネル工学報告集,第29巻,IV-1,2019.11

概要

本報告では、軟岩地山におけるトンネル掘削施行を想定して、地山を粒状体要素の集合で、支保構造を連続体要素でそれぞれモデル化し、両社の相互作業によるハイブリッドなシミュレーションの有用性を検討した。 また粘着力を有する地山材料に対する粒子間接触モデルの適切性や、計算不可軽減のための遠方境界地山の連続体によるモデル化も検討した。
2019.12更新
大変形を生じた泥質片岩地山の補強対策と変状解析による検証
-国道197号 松柏トンネル-

著者

坂井克巳(愛媛県南予地方局八幡浜土木事務所大洲・八幡自動車道建設)、菅原健太郎(地層科学研究所)、松本暢史・古家義信(大林組・奥村組土木興業・浅田組共同企業体)
  • トンネルと地下,11月号,Vol.50,no.11,2019

概要

脆弱な泥質片岩部の掘削において、一方の側壁で最大770mmの水平変位が発生し、鋼製支保工の座屈など、一次支保が著しく変状するとともに、インバートの隆起が確認された。掘削時のトンネル安定とともに供用中の変状発生リスクに対する対策として、インバートのストラット補強や覆工の繊維補強を行い、供用中の計画監視を計画した。また、塑性化後の地山強度低下をモデル化した二次元解析で一次支保の変状やインバートの隆起を再現し、実施した対策の有効性を確認した。本稿では、大変形を伴うトンネルの施工と、変状メカニズムの解明を目的とした数値解析による検証結果について報告する。
2019.11更新
<研究>矢板工法で建設された覆工のひび割れ発生に関する解析的考察

著者

菅原健太郎(地層科学研究所)、大窪克己(中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京(株))、蒋宇静(長崎大学大学院)
  • トンネルと地下,11月号,Vol.50,no.11,2019

概要

矢板工法により建設されたトンネルの中には、建設から50年以上経過したものも多く、覆工コンクリートにひび割れが発生している場合には、適切な補修により機能の維持を図る必要がある。本研究は、矢板工法のうち上半先進工法(覆工施工は逆巻き)で施工された覆工コンクリートについて、外力ではないひび割れの原因と特徴を検証し、合理的な補修法の選択に役立つことを目的とした。
2019.11更新
地下水シミュレーションの逆解析法における全節点水位再現性を指標とした比較数値実験

著者

阪田義隆(北海道大学工学部空間性能システム部門)、岩永昇二(地層科学研究所)
  • 土木学会論文集B1(水工学)Vol.75,No.2,I_1231-I_1236,2019.(206)

概要

地下水シミュレーションのパラメータを決定する逆解析にて、対象の観測水位が目視観測や観測時間の違いなどによる誤差を含む場合、得られたパラメータによる計算結果が真の水位(全節点水位)を再現する保証はない。 本研究では5000パターンの異なるパラメータの断面二次元・定常流問題に対し、真のパラメータに乱数変動させた初期パラメータ、制約付き最小二乗法、遺伝的アルゴリズム、初期パラメータ周辺での組み合わせ計算により逆解析をそれぞれ行い、全節点水位の再現性を比較した。その結果、全節点水位再現が最良となる逆解析法は、地盤条件により異なるが、最も頻度が高かったのは初期パラメータを用いた場合で、逆解析で得られたパラメータを説明因子に加えた線形判別分析により一致度約0.8で選定可能であることを示した。
2019.11更新
トンネル掘削解析において地山を粒状体としてモデル化する試み

著者

中川光雄(地層科学研究所)
  • 土木学会第74回年次学術講演会(令和元年9月),III-182,2019

概要

本報では、地山を粒状体の集合で、支保構造を連続体で同時にモデル化するトンネル掘削解析の実用性を検討した。 地山のモデル化には粒状体個別要素法を適用し、支保構造のモデル化には有限差分法を適用し、吹付けコンクリートはソリッド要素、鋼製支保工とロックボルトは、はり要素を用いた。このような粒状体と連続体のハイブリッドなモデル化が実現できれば、地表面沈下や補助工法の効果の評価だけでなく、支保構造に発生する応力や変形を従来の連続体解析の様式で得ることが期待できる。(解析プログラムは、米国Itasca社製のPFC3DおおびFLAC3Dを用いた)
2019.11更新
振動式および静的締固め改良工法による大規模地盤改良工事(その2)

著者

藤井 嵩大((株)JERA)、吉田龍平・広重敬嗣(大成建設(株))、尾形太((株)不動テトラ)、磯部有作(地層科学研究所)
  • 土木学会第74回年次学術講演会(令和元年9月),III-141,2019

概要

既設護岸近傍において変位緩衝孔による変位低減対策を用いたSCP工法(サンドコンパクションパイル工法)を施工した。本施工にあたり、地表面水平変位の計測を行うとともに実施した2次元FEMによる再現解析について報告する。
2019.11更新
既設トンネル覆工における繊維シート接着工の配置パターンに関する一考察
-変位緩衝孔による施工時地盤変位低減対策の再現解析結果について-

著者

森本真吾(ドボクリエイト(株))、岡部正・五味綾子・田部美月((株)ケー・エフ・シー)、菅原健太郎・東幸宏(地層科学研究所)、林久資(山口大学大学院)
  • 土木学会第74回年次学術講演会(令和元年9月),VI-546,2019

概要

本研究では、対策工のうち繊維シート接着工を取扱い、経済性や効率性等の観点から対策工設計の一助となるように、数値解析を用いた遷移シート接着工の配置パターンの違いにおける補強効果を検討し、考察を述べる。
(配置パターンについては、帯鋼板による対策工の設計施工事例を参考とした)
2019.11更新
坑道周辺のボーリング調査に基づく割れ目情報が物質移行時間に与える影響に関する検討

著者

田部井和人・並川正・羽根幸司・升元一彦・森川誠司(鹿島建設(株))、杉田匠平(ダイヤコンサルタント(株))、関野真登(地層科学研究所)
  • 土木学会第74回年次学術講演会(令和元年9月),VII-160,2019

概要

地層処分の安全評価では、天然バリア中の物質移行時間や移行経路が重要なパラメータとなる。 割れ目を有する岩盤を仮想的な円形もしくは多角形割れ目の集合で表現し、仮想割れ目によるネットワークが地下水流動経路となるとみなす割れ目ネットワークモデルは、一般にボーリング調査などから割れ目パラメータ(長さ、密度、方向、透水量係数)を設定するが、調査の量や方向が移行時間に与える影響は明らかになっていない。そこで本報文では、スウェーデンSKB社が実施した【Aspo】地下研究施設の坑道周辺のボーリング調査結果を用い、割れ目情報の調査量が移行時間に当たる影響について初期検討を行った。
2019.11更新
岩盤既存亀裂を考慮した間隙水圧連成DEMによるトンネル切羽安定解析

著者

清水浩之・宇津野衞・大野進太郎(鹿島建設(株))、関野真登(地層科学研究所)
  • 土木学会第74回年次学術講演会(令和元年9月),CS5-10,2019

概要

大土被りトンネルの掘削において切羽前方に断層破砕帯などの高圧湧水帯がある場合、さらに岩盤中に多数の既存亀裂が存在する場合,既存亀裂内の高水圧により既存亀裂同士が連結し,切羽の崩壊が促進されることが考えられる.このような現象を精度よく評価するためには,岩盤内の既存亀裂と水圧による亀裂伸展の両方を考慮した切羽の安定性検討が必要である.従来多用されてきた連続体解析手法では、個々の亀裂内部の水圧による亀裂伸展挙動を表現することは困難である。そこで、流体流動と破壊の連成挙動を詳細に表現可能となるように拡張した粒状体個別要素法(Distinct Element Method,DEM)により、既存亀裂を含んだ高拘束圧、高水圧条件下における大土被りトンネル切羽の二次元断面を対象とした安定性解析を行い、高水圧が作用する既存亀裂がトンネル切羽の安定性に対して与える影響を検討した。
2019.11更新
岩盤亀裂伸展を考慮した間隙水圧連成DEM によるトンネル切羽安定解析

著者

清水浩之・宇津野衛・大野進太郎(鹿島建設(株))、関野真登(地層科学研究所)
  • 第54回地盤工学研究発表会,2019年7月,G-13,0770,p.1539-1540

概要

トンネルが高湧水圧帯に接近すると水圧による亀裂伸展により突発的に切羽が崩壊する可能性がある。
従来多用されているFEMに代表される連続体解析手法では表現が困難な個々の亀裂の伸展挙動を表現するために、流体流動と破壊の連成挙動を詳細に表現可能な粒状体個別要素法を用い、大深度地下の高地圧、高湧水圧条件におけるトンネル切羽の二次元断面を対象とした安定性解析を行い、水圧による亀裂伸展挙動がトンネル切羽崩壊に対して与える影響を検討した。
2019.7更新
最終処分場における大規模盛土状廃棄物の地震応答

著者

大野博之((株)環境地質)・磯部有作(地層科学研究所)・山内一志((株)建設工学研究社)、山中稔(香川大学)、稲垣秀輝((株)環境地質)
  • 第54回地盤工学研究発表会,2019年7月,H-11,1080,p.2159-2160

概要

大規模盛土の宅地造成地に地震力がかかると、地すべり的変形が生じることが示されており、この時、盛土内の地下水は飽和状態でなくても不安定化に影響を与える。こうした現象が、近年大規模盛土化している最終処分場の廃棄物層でも生じることが懸念されることから、最終処分場の大規模盛土状廃棄物の地震応答解析をFLIPを用いて行う。この時、解析コードFLIPの特徴から、粘着力は考慮せず、内部摩擦角のみを考慮した。
2019.7更新
矢板の引き抜きによる周辺地盤への影響(その2)

著者

磯部有作(地層科学研究所)、鈴木誠・佐久間遵(千葉工業大学)、中井照夫((株)地域地盤環境研究所)
  • 第54回地盤工学研究発表会,2019年7月,E-02,0404,p.807-808

概要

仮設工として用いられた鋼矢板の引抜き時に地盤との間で摩擦によって周辺地盤に影響が生じ、引抜いた後には、設置されていた矢板跡の空隙にわずかであるが地盤の流動が起き、周辺の地表面においても変位が生じることが懸念されている。 本研究では、このような地盤挙動予測に対して、アルミ棒積層体を用いたモデル実験と弾塑性有限要素法解析によって、鋼矢板の深さによる周辺地盤への影響と地表面沈下を評価した。
2019.7更新
切羽崩壊による地表面沈下・陥没範囲予測のための粒状体個別要素法の適用性検討

著者

中川光雄(地層科学研究所)
  • 第54回地盤工学研究発表会,2019年7月,E-02,0703,p.1405-1406

概要

切羽崩壊による地表での影響範囲を予測するため、不連続体解析手法の1つである粒状体個別要素法(剛体球の集合体)の適用性を検討した。
通常の土質試験結果において著者が判断した最小限の主要なパラメータを対象として、既往の実験結果に見られる崩壊領域の地表への進展現象を再現できれば、解析は妥当性を有するとした。解析プログラムは、米国Itasca 社製のPFC3D を用いた。
2019.7更新
仮想ドレーンモデルを用いたトンネル掘削における先進ボーリングの効果の検討

著者

細野賢一(地層科学研究所)、福田毅・藤野晃(清水建設(株))、江島武((独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構)
  • 第54回地盤工学研究発表会,2019年7月,E-02,0703,p.1405-1406

概要

本論文では、排水構造物をモデル化せずとも効果を求めることができる浸透流解析手法(以降、仮想ドレーンモデル)を適用して、先進ボーリングの実績がある九州新幹線木場トンネルの工事記録を参照して、実施工に対応した浸透流解析を実施し、湧水量に対する実測との比較や水圧の低下効果を示した。
2019.7更新
最終処分場の適正化に向けた調査と対策Ⅱ―保有水等の流出の観点から―

著者

宮原 哲也・ 八村 智明((一財)日本環境衛生センター西日本支局)、大野 博之・小坂 英輝((株)環境地質)、 細野 賢一(地層科学研究所)、山内 一志((一財)日本環境衛生センター西日本支局)、山中 稔(香川大学)
  • 廃棄物資源循環学会論文誌,2019,30巻,p.14-28

概要

既設の一般廃棄物最終処分場において不適正な状況を改善するための適正化事業として、周辺環境の保全の観点からの調査を実施し、その調査を用いた数値シミュレーション等を実施した。
本研究の結果、廃棄物埋立地内の保有水等の水位が高いとき、現地の地下水位や水質観測の結果と整合する埋立地外への保有水等の流出が生じる可能性のあることが明らかとなった。この恒久対策として、埋立地内の水理ポテンシャルを周辺地下水のそれよりも下げる工法 (ウォーターバリア工法)、たとえば集水井工の設置が有効であることが数値シミュレーションにより示された。
2019.4更新
個別要素法(DEM)を用いたトンネル切羽安定性検討

著者

宇津野衛・清水浩之・大野進太郎(鹿島建設(株))、関野真登(地層科学研究所)
  • 土木学会第73回年次学術講演会(平成30年8月),III-508

概要

一般的にトンネルの安定性を解析的に検討する際には、FEMに代表される連続体解析手法を用いられていることが多い。本論文では、連続体解析手法との比較を通じて、個別要素法(DEM:Distinct Element Method)のトンネル切羽安定性評価への適用性を検討した。
(使用コード:PFC ver5.0、FLAC ver.8.0(ともに米国itasca社製))
2018.9更新
水抜きボーリングによる湧水対策を考慮した浸透流解析

著者

並川正・田部井和人・北村義宣・升元一彦・森川誠司(鹿島建設(株))、関野真登(地層科学研究所)、勘定茂(西日本高速道路(株))
  • 土木学会第73回年次学術講演会(平成30年8月),III-533

概要

大深度の高圧湧水帯の存在が危惧される山岳トンネルを安全・合理的に施工するために、長距離の先進探査ボーリングから得られる湧水量や水圧などの情報をもとに、水抜きボーリングなどの対策工設計のための予測解析が行われている。この解析の精度向上の課題として、ボーリング孔壁による摩擦損失を考慮することが挙げられる。 本報告では、ボーリング孔内の摩擦損失を考慮した三次元FEM浸透流解析手法について示し、実トンネルの施工情報を用いて湧水帯の透水係数を算定し、地下水圧低下をシミュレーションした事例を報告する。
2018.9更新
FEM-DEM連携解析によるコンクリート構造物のひび割れ進展評価技術の開発

著者

清水浩之・大家史・大野進太郎・大谷芳輝(鹿島建設(株))、関野真登(地層科学研究所)
  • 土木学会第73回年次学術講演会(平成30年8月),CS5-011

概要

従来用いられてきた有限要素法(FEM: Finite Element Method)のような連続体解析手法とDEM を連携させることでコンクリート構造物の詳細なひび割れ進展の評価を現実的な解析時間で行う手法を開発した。このFEM-DEM 連携解析によるコンクリート構造物のひび割れ解析事例を通して、本手法の利点やさらなる評価技術の高度化を目指すための課題について報告する。
2018.9更新
仮想ドレーンモデルの実用化を目指した現場実証解析

著者

江島武(鉄道・運輸機構 九州新幹線建設局 大村鉄道建設所長)、藤野晃・福田毅(清水・青木あすなろ・菱興特定建設工事共同企業体)、細野賢一・里優(地層科学研究所)
  • 土木学会第73回年次学術講演会(平成30年8月),VI-024

概要

仮想ドレーンモデルの特徴は、トンネル掘削による排水効果を井戸公式で代用し、トンネル位置からの距離に応じた流量配分を近隣設定に行うことで、トンネル断面をモデル化せずに掘削による排水効果を求めることである。 本論文では、九州新幹線(西九州ルート)木場トンネルの施工実績(トンネル掘進にともなう坑内湧水量)に対する再現解析を実施することで、仮想ドレーンモデルを情報化施工として組み込む場合の実用性を確認した。
2018.9更新
機械学習による地下水シミュレーション自動モデリング手法開発に向けた基礎的研究

著者

里優・岩永昇二(地層科学研究所)、阪田義隆(北海道大学)
  • 土木学会第73回年次学術講演会(平成30年8月),II-038

概要

研究目的は、地下水問題(例えば、堤防浸透、井戸取水など)に対し、実務的に妥当な地下水シミュレーションモデリングの自動化システムを開発することである。浸透問題、熱移送問題、物質移送問題の3テーマを対象とし、各テーマに対し設定した標準問題(学習ケース)に対し、事前情報、評価情報の質・量の異なる条件下において、シミュレーションを行い、評価情報に対する計算誤差、評価情報とは異なる真値情報に対する誤差について機械学習を繰り返し行わせる。 機械学習した結果と真値情報を比較し、与えられた事前情報に応じてどのように境界条件、水理定数を調整すべきかを統計的に決定し、実際の現場問題に適用し、その妥当性と有効性を検討することを目指す。まずは、研究手法の紹介と、浸透問題についての研究開発状況について報告する。
2018.9更新
トンネル施工時の湧水対策効果に対する早期予測解析手法の提案

著者

細野賢一・河原裕徳・里優(地層科学研究所)
  • 第53回地盤工学研究発表会,0800,G-07,2018年7月

概要

トンネル内湧水問題に対しては、トンネル掘削中の前方探査結果などに基づき、適時に水理地質構造を見直した上で、早急に湧水量の予測修正を算定し、対策工選定や計画変更に役立てることが望ましい。 本研究では、排水構造物をモデル化することなく湧水量を求めることができる仮想ドレーンモデルに対し、グラウト注入による改良効果を考慮できる式の導出を行ったうえで、種々の対策工を比較検討した。
2018.7更新
シミュレーションに基づく路線の落石対策工に関するリスク評価

著者

菅野蓮華・森口周二・寺田 賢二郎・林 俊介(東北大学)、磯部有作(地層科学研究所)
  • 第53回地盤工学研究発表会,0871,G-13,2018年7月

概要

交通路線の対落石安全性を予算内で最大化することを目的とし、数値シミュレーションに基づいて、目的にかなった対策工の設計に役立てるための落石リスク評価手法を構築した。 その上で、リスク指標に基づく路線全域の対策工の最適設計問題を定義する。
2018.7更新
大変形理論に基づくひずみ空間多重せん断モデルの適用性の検討-矢板式構造を対象として-

著者

藤井紀之・植村一瑛(応用地質(株))、関野真登(地層科学研究所)、仲摩貴史((株)地震工学研究所)、飛田哲男(関西大学)、上田恭平(京都大学防災研究所)
  • 第53回地盤工学研究発表会,0756,E-08,2018年7月

概要

矢板式構造を対象とした遠心載荷実験結果と、FLIP TULIP によって得られた微小変形解析結果・大変形解析結果を比較し、矢板式構造を対象としたFLIP TULIP の適用性、矢板と背後地盤の拘束条件のモデル化の検討を行った。
2018.7更新
質点系落石解析による危険度分布の確率論的評価の検討

著者

磯部有作(地層科学研究所)、稲垣秀輝・大野博之((株)環境地質)
  • 平成29年度日本応用地質学会 研究発表会,65,H29(2017)年10月

概要

H26年8月に発生した広島豪雨土砂災害は、沖積錐上の民家に大きな被災をもたらした。この沖積錐に注目した土石流災害調査を行った結果、花崗岩分布地域では巨礫を含むマトリックス分が多く、沖積錐が緩やかで遠くまで達することがわかった。 これらの調査データをもとに、数値計算により今後の被災予測に活用するための感度解析を実施した。数値計算は質点系の落石解析手法を用いるため、巨礫を多く含んだ地区のみを対象とした、モンテカルロシミュレーションにより危険度分布を確率論的な評価を行った。
2017.11更新
飽和度上昇時のせん断強度低下による豪雨時斜面崩壊の連成解析による検討

著者

中川光雄(地層科学研究所)
  • 土木学会第72回年次学術講演会,III-180,H29(2017)年9月

概要

斜面の不飽和領域でのサクション低下によるせん断強度低下に対する効果を連成解析により検討するにあたり、サクションと粘着力増分の関係式を応力浸透連成解析に導入し、その影響効果を検討した。
2017.11更新
トンネル覆工試験体の打音試験を対象とした数値シミュレーション

著者

津野究・嶋本敬介・舩越宏治(鉄道総合技術研究所)、菅原健太郎(地層科学研究所)
  • 土木学会第72回年次学術講演会,III-364,H29(2017)年9月

概要

鉄道トンネル検査の基本である打音調査を模擬した試験より、変状と打音時の振動特性についての検討を行った。この打音試験を対象としたシミュレーションを行い、試験結果との比較を報告する。
2017.11更新
豪雨時における斜面崩壊メカニズムの連成解析による検討

著者

中川光雄(地層科学研究所)
  • 第52回地盤工学研究発表会,0890,E-06,2017年7月

概要

斜面の不飽和領域でのサクション低下によるせん断強度低下に対する効果を連成解析により検討するにあたり、サクションと粘着力増分の関係式を応力浸透連成解析に導入し、その影響効果を検討した。
2017.11更新
仮想ドレーンモデルのトンネル情報化施工への適用の試み

著者

細野賢一・河原裕徳・里優(地層科学研究所)
  • 第52回地盤工学研究発表会,0692,E-07,2017年7月

概要

湧水量の予測は、浸透流解析手法が一般的であるが、解析結果が得られるまでに多大な労力と時間が必要となる。この課題を克服するため、トンネルの構造物をモデル化せずに排水効果を考慮できる仮想ドレーンモデルを考案した。仮想ドレーンモデルの妥当性の検証およびトンネルの情報化施工に活用する方法について述べる。
2017.11更新
仮想トンネルモデルによる3次元浸透流解析手法

著者

細野賢一(地層科学研究所)、河原裕徳(同)、里優(同)
  • 第14回岩の力学国内シンポジウム講演集,No.120,2017年1月

概要

トンネルによる湧水量予測のための3次元浸透流解析において、トンネルをモデル化せず、トンネル軸を中心とする円筒座標系における定常解を用いてトンネル掘削と同等の効果を解析領域に与える方法を考案した。
2017.1更新
坑道掘削時内空変位に基づく広域岩盤の初期地圧評価

著者

亀村勝美(深田地質研究所)、青柳和平(日本原子力研究開発機構)、名合牧人(幌延ジオフロンティアPFI)、菅原健太郎(地層科学研究所)、松原誠(同)
  • 第14回岩の力学国内シンポジウム講演集,No.012,2017年1月

概要

深度350mの坑道掘削時の内空変位計測結果を用いて、数百m四方の岩盤の挙動を説明できる初期応力の推定を試みた。また、推定結果の精度をより高めるために岩盤の割目の発達状況を考慮して内空変位計測結果を評価し、検討を行った。その結果は、他の計測結果と整合しており、本解析手法の妥当性が確認された。
2017.1更新
仮想ドレーンモデルによる3次元浸透流解析

著者

細野賢一(地層科学研究所)、河原裕徳(同)、里優(同)
  • 日本地下水学会 秋季講演会,No.45,2016年10月

概要

有限要素法による3次元浸透流解析を行う場合には、分水界に境界条件を定める必要性から、数100-数km四方の大きな解析領域が対象になる。この大きな領域に、トンネルや地下水排除工などを具体的にモデル化しようとすると、サイズが相対的に小さいため、具体的にモデル化する場合には多くの労力が必要となる。 本研究では、3次元モデルにおいて、トンネル等の構造物をモデル化せずに要素分割を行い、解析に要する時間を大幅に減ずる方法を考案した。これを用いて、いくつかのモデルケースを設定し、ドレーン構造物を具体的にモデル化した場合との結果を比較した。
2016.10更新
質点系落石解析による土砂災害で発生した土石流の到達距離に関する一考察

著者

磯部有作(地層科学研究所)、稲垣秀輝((株)環境地質)、大野博之((株)環境地質)
  • 平成28年度 日本応用地質学会 研究発表会(仙台),2016
2016.10更新
Reinforced Foundation Ground in Embankment Site Subjected to Consolidation

著者

磯部有作(地層科学研究所)、Hossain Md.Shahin(Islamic University of Technology)、中井照夫(地域地盤環境研究所)
  • CECAR 7(CIVIL ENGINEERING CONFERENCE IN THE ASIAN REGION),2016
2016.09更新
せん断変形を受ける地盤におけるジオシンセティックスを用いた地盤補強方法に関する研究

著者

磯部有作(地層科学研究所)、木下貴道(名古屋工業大学)、Hossain Md.Shahin(Islamic University of Technology)、中井照夫((株)地域地盤環境研究所)
  • 地盤工学会研究発表会,0788,2016

概要

せん断変形を受ける地盤におけるジオシンセティックスを用いた地盤補強方法を検討する実験と同条件で数値解析を行った。解析で用いる構成式は、砂地盤から粘土地盤まで地盤材料に拘らず、またモデル実験のような低拘束応力下から原地盤の応力レベルまで唯一的な材料パラメータを用いて応力-ひずみ関係を表現できる。その結果、解析の有効性をモデル実験で検証しておけば原地盤の挙動は解析で検討できる。
2016.09更新
ひずみ硬化型PHモデルのトンネル掘削解析における適用性の検討

著者

中川光雄(地層科学研究所)
  • 地盤工学会研究発表会,0739,2016

概要

地盤の三軸圧縮試験の載荷過程で逐次進行する剛性低下をひずみ硬化で表現した弾塑性構成則モデルであるPH(Plastic Hardening)モデルのトンネル掘削解析への適用性を検討した。土被りの小さいトンネルを対象とし、地表面沈下やリバウンドなどの掘削によるトンネル周辺挙動に着目し、現状の実務で多用されているMohr-Coulomb 弾完全塑性モデルと比較して考察する。
2016.09更新
Study for the Elucidation of the Sedimentation Structure Using the Numerical Analysis

著者

磯部有作(地層科学研究所)、八村智明・大野博之・松本謙二・宮原哲也・永岡修一((一財)日本環境衛生センター)
  • 10th Asian regional Conference of IAEG,Tp4-P08,Kyoto,2015

概要

地上からまたは海中から地すべりが発生し、海中を沈降していく過程と沈降した後の海底面との衝突時に発生する海底地盤の巻き上げ現象をMPS(Moving Particles Semi-implicit)法により、基礎的な条件を仮定し表現した。密度の大きい沈降物が密度の小さい海底地盤を巻き上げた後に元の海底地盤の下に堆積し、巻き上がった海底地盤はその後沈降し、地すべりで発生した沈降物の上に堆積していく結果を得た。また、海底地盤の粘性係数の違いにより、巻き上がりの大小の違いも現れた。
2015.09更新
斜面表層崩壊の土砂到達予測における粒状体個別要素法解析の適用

著者

中川光雄(地層科学研究所),池田泰之・山 真典((株)ドーコン),谷口拓也(北海道開発局)
  • 土木学会第69回年次学術講演会(平成26年9月),Ⅲ-278

概要

国道453号北海道千歳市支笏湖畔の道路敷地外に確認される崩壊堆積地形が既知である斜面を対象として、 粒状体個別要素法パラメータをキャリブレーションにより求め、付近の検討対象斜面に対して崩落シミュレーションを実施し、 土砂到達の程度を予測した。
2014.12更新
トンネル掘削解析における実用的なひずみ軟化モデルの提案と適用

著者

中川光雄(地層科学研究所)
  • 土木学会論文集F1(トンネル工学),Vol.70,No.2,67-81

概要

軟岩地山を対象としたトンネル掘削を実施する場合、ひずみ軟化特性やダイレタンシー特性の表現が重要となる。 本論文は、通常の地質調査で実施される三軸圧縮試験の応力とひずみの関係を利用して、現場のひずみ軟化特性を再現するパラメータを得るプロセスを提案している。 本提案によるモデル化・解析手法は、構成式の議論による手法に比べて理論的な厳密さは劣るものの、ひずみ軟化特性の本質である変形の局所化や材料劣化の表現を実現しながらも実用性を重視した点に特徴がある。
2014.12更新
海面処分における投入固体の自由沈降現象の検討
-CIPによる解析編-

著者

磯部有作・河原裕徳(地層科学研究所),松本謙二・大野博之((一財)日本環境衛生センター), 登坂博行(東京大学),永岡修一・八村智明((一財)日本環境衛生センター),武馬雅志・大嶋真由子((財)愛知臨海環境整備センター)
  • 応用地質,Vol.53,No.5,PP.218-pp.226,2012年12月

概要

海面(水面)の廃棄物最終処分場では、遮水層の層厚が埋立廃棄物の沈降および着底時に及ぼす衝撃によって減じられることがあってはならない。 埋立廃棄物の沈降現象を数値解析的に推察するために、本論では実験結果と比較し、CIP法による数値解析手法の再現性について検討した。 その結果、流体と剛体をモデル化したCIP法によって、単粒子自由沈降の挙動を表現できることが示され、 とくに、底面遮水層への衝撃力やめり込み量を算出するための終端速度を算出するのに適していることが示された。
2012.12更新
海面処分における投入固体の自由沈降現象の検討
-MPSによる解析編-

著者

河原裕徳・磯部有作(地層科学研究所),松本謙二・大野博之((一財)日本環境衛生センター) 登坂博行(東京大学),永岡修一・八村智明((一財)日本環境衛生センター),武馬雅志・大嶋真由子((財)愛知臨海環境整備センター),
  • 応用地質,Vol.53,No.5,PP.227-pp.226,2012年12月

概要

海面(水面)の廃棄物最終処分場では、遮水層の層厚が埋立廃棄物の沈降および着底時に及ぼす衝撃によって減じられることがあってはならない。 埋立廃棄物の沈降現象を数値解析的に推察するために、本論では実験結果と比較し、MPS法による数値解析手法の再現性について検討した。 その結果、粒子法の一種であるMPS法では、単粒子のみならず多粒子の沈降状況をある程度表現できることが示された。 現在利用可能なコンピュータでは計算時間が膨大になり、適切な沈降速度を直接算出することはできないが、 いくつかの異なる粒子間距離の解析結果からある程度の沈降速度等を推察できる可能性がある。
2012.12更新
液状化に伴う戸建住宅の沈下現象についての数値解析的アプローチ(その1)

著者

余川弘至((一財)ベターリビングつくば建築試験研究センター),磯部有作・福田毅・里 優(地層科学研究所),新井洋(国土技術政策総合研究所)
  • 日本建築学会大会学術講演梗概集(東海),20244,2012年9月

概要

東北地方太平洋沖地震で確認された隣り合う住宅がお互いにお辞儀するようにして傾斜して沈下する被害が多数報告されている。 地震に伴う地盤の液状化および住宅の振動が相互的に作用するためと考えられる。このような被害を受けた2地区を対象に動的有効応力解析を実施した。 お辞儀モードを検討するための準備解析として、液状化解析コードLIQCAを用いた地盤のみを取り扱った土柱モデルによる検討結果を報告する。
2012.09更新
液状化に伴う戸建住宅の沈下現象についての数値解析的アプローチ(その2)

著者

磯部有作(地層科学研究所),余川弘至((一財)ベターリビングつくば建築試験研究センター),福田毅・里 優(地層科学研究所), 新井洋(国土技術政策総合研究所)
  • 日本建築学会大会学術講演梗概集(東海),20245,2012年9月

概要

(その1)に引き続き、隣接する住宅がお辞儀するように傾斜・沈下した液状化被害を受けた2地区を対象に、 液状化解析コードLIQCAを用いて、2次元数値解析による被害メカニズムの検討を行う。 隣接する住宅のお辞儀モードについて、2次元液状化解析から、その要因が液状化地盤と住宅との強非線形動的相互作用によるものである可能性を指摘した。
2012.09更新
トンネル掘削時のロックボルトのモデル化に関する検討

著者

熊坂博夫(清水建設(株)),福田毅(地層科学研究所)
  • 土木学会第67回年次学術講演会,Ⅲ-168,2012年9月

概要

地山強度比の相違によるロックボルトの軸力分布の感度を検証する目的で、2パターンの地山でロックボルトを配したトンネル掘削解析を実施した。 この時にロックボルトの軸力のピーク値が現れる位置と軸力分布形状に大きな違いが見られない点から、 現実的な現象を再現しているとは言い難いと考えた著者らは、ロックボルトのモデル化の見直しを試みた。 具体的には、ロックボルトの端部を固定するフェイスプレートを解析的に表現することを試み、ロックボルトの軸力分布にどのような影響を与えるのかを定量的に評価した。 結果として、ロックボルトのモデル化の違いで軸力の分布形状が異なることがわかり、実現象を十分理解した上でモデル化をする配慮が必要であることを示した。
2012.09更新
Attempt to advanced observational construction of predictive analysis considering long-term deformation

和文タイトル

長期変状予測解析を考慮した情報化施工の高度化への試み

著者

福田 毅(地層科学研究所),高橋俊長(東日本高速道路(株)),山田浩幸((株)鴻池組),蒋 宇静(長崎大学)
  • 12th ISRM International Congress on Rock Mechanics Beijing, October 18-21, 2011

概要

高度な情報化施工を取り組む上での一つの試みとして、カルマンフィルターを用いた逆解析手法による再現解析結果の妥当性について報告する。 また、逆解析により同定された岩盤物性値を用いた予測解析、およびクリープ特性を考慮した長期変形予測解析を実施した結果を報告する。
2011.10更新
Influence of a fault system on rock mass response to shaft excavation in soft sedimentary rock, Horonobe area, northern Japan

和文タイトル

北海道幌延地域軟堆積岩における立坑掘削時の岩盤挙動に対する断層系の影響

著者

常盤哲也・津坂仁和・石井英一・真田祐幸((国研)日本原子力研究開発機構)、冨永英治(地層科学研究所)、羽出山吉裕(大成建設(株))、舟木泰智((国研)日本原子力研究開発機構)
  • International Journal of Rock Mechanics and Mining Sciences,
    Volume 48, Issue 5, Pages 703-870(July 2011)

概要

本論文では、北海道幌延地域における断層系を生成した応力場に着目し、断層系と軟堆積岩中の立坑掘削における岩盤挙動との関係について検討している。 当該領域では、ボーリング孔における水圧破砕調査および地殻プレートの動きから、主要な水平方向主応力は東西型であることが示されているが、 立坑掘削時の立坑における最大内空変位は、北北東- 南南西の方向であった。 そこで、立坑壁における断層について断層すべり解析を実施し、断層系を生成する古応力場を再構築したところ、 最大水平主応力は主に北北東- 南南西であり、最小水平主応力は主に西北西‐東南東であった。 これらの方向は、それぞれ立坑の内空変位最大値と最小値の方向に類似している。 この結果は、断層系が、軟岩においては立坑掘削時の岩盤挙動に影響を与えていることを示しており、岩盤の変形は断層系によって制御されると考えられる。 また、断層系を生成する古応力のフィールドに着目して岩盤挙動を評価し、予測することも可能と考えられる。
2011.07更新
海面最終処分場の廃棄物層内の水質浄化の処理機能に関する検討

著者

細野賢一(地層科学研究所)、大野博之・永岡修一・八村智明・宮原哲也・松本謙二((一財)日本環境衛生センター)、飛田靖之・富田洋平((財)愛知臨海環境整備センター)
  • 日本応用地質学会 平成23年度研究発表会講演論文集,No.39,2011

概要

廃棄物層中の保有水等は埋立物からの溶出によって汚濁成分を含む水質となり、この保有水等は、集配水設備を通して水処理施設へ送られる。 処分場の表層部は、早い段階での跡地利用されることが望まれており、そのために廃棄物層に含まれる汚濁成分の早期浄化(早期安定化)する工法の選定が重要となる。 (財)愛知臨海環境整備センターにより管理・運営されている衣浦港3号地処分場を対象とし、廃棄物層上部水平暗居工による集配水設備を考慮した移流分散解析モデルの構築を行い、 最適な水平暗渠構造の選定を試みた。また、跡地利用等も考慮した上での、解析実施ケースのメリット・デメリットを整理する。
2011.更新
海面最終処分場の底面遮水層への投入廃棄物の影響

著者

磯部有作(地層科学研究所)、松本謙二・大野博之・永岡修一・八村智明((一財)日本環境衛生センター)、飛田靖之・富田洋平((財)愛知臨海環境整備センター)
  • 日本応用地質学会 平成23年度研究発表会講演論文集,No.38,2011

概要

近年の海面最終処分場は、埋立区画の底面遮水層として在来地盤の沖積粘土層を利用している。 廃棄物の投入による底面遮水層への廃棄物のめり込みなど遮水性能への影響が懸念される。 投入物の底面へのめり込みについて、CIP法による数値解析と実験結果との比較を行い、その影響を検討した。 また、数値解析の妥当性を評価するために、仮定に基づいた理論解との比較も試みた。
2011.更新
斜面微地形が落石軌跡に与える影響に関する数値実験
Numerical Simulation of Effects of Slope Micro-Topography on Rockfall Trajectories

著者

西村強(鳥取大学),福田毅(地層科学研究所),木山英郎(鳥取大学)
  • Journal of the Society of Materials Science,japan, Vol.59,No.3,pp.199-204,Mar.2010

概要

わが国は山地が多く,主要道路が山間部を縫うように走っているため,点検に基づいた危険地域指定・対策が重要であると考えられる. このような危険地域内の影響域,本研究の対象である落石に絞ると,落石到達域の評価に際しては,落石の落下軌跡や到達距離を予測し, かつ,対策工の位置における運動エネルギーも解析しておく必要がある. このように得られた解析結果は,地形データに重ね書きすれば,落石に対するハザード評価に有効な資料となる. 本研究では,著者らが開発した解析プログラムを用いて,地形や斜面表面などの幾何学的要因が与える影響について三次元解析を実施した. ここに言う幾何学的要因とは,2面から成る地形を設定し,それらの面は平均勾配によって表現し,さらに,各々の面には凹凸があるとして, 細かく格子状に分割の上,斜面上の格子点の座標(標高)を設定する斜面モデルである. 平均勾配,凹凸(roughness)と格子の大きさとに注目した解析を実施し,斜面の平均勾配と微小な地形変化が水平方向の拡がりに与える影響を例示した.
2010.03更新
任意多面体ブロックでモデル化した個別要素法による岩盤崩落シミュレーション

著者

中川光雄(地層科学研究所)、神原規也((株)エイト日本技術開発)
  • 土木学会,第39回岩盤力学に関するシンポジウム講演集,pp.334-339,2010.01

概要

任意多面体ブロックの取り扱いを可能とする回転運動の合理的な定式化を検討。 またこれを急崖斜面に3次元個別要素法を用いて急崖斜面に適用したところ、回転運動の再現の重要性を示唆する結果が得られた。
2010.01更新
雲仙普賢岳溶岩ドームの大規模地震による高速岩盤崩壊シミュレーション

著者

中川光雄(地層科学研究所)、山田正雄・中谷紀行(国土防災技術(株))、近重朋晃(長崎県五島振興局)
  • 第65回年次学術講演会講演概要集,III-403,2010

概要

1990年島原半島雲仙普賢岳で噴火活動が開始され、一連の火山活動は1995年2月以降鎮静化しているものの火山活動によって出現した溶岩ドームは、時間が経過する中で崩れやすくなっている。 この状況において、強振動による岩盤崩壊が発生すれば、斜面下方にある島原市街地に大きな被害を及ぼす懸念がある。 大規模地震に起因した溶岩ドームの崩壊に続き、岩塊が高速で流化すると想定して、多面体ブロックを取り扱う3次元個別要素法(3DECコード)を用いて高速岩盤崩壊シミュレーションを実施し、 その到達範囲を予測し島原市の家屋や公共施設等に及ぼす影響を検討した。その一部を報告する。
2010.更新
合理的な接触判定法に基づく3次元個別要素法による落石・岩盤崩落シミュレーション

著者

中川光雄(地層科学研究所)、山田正雄・中谷紀行(国土防災技術(株))、近重朋晃(長崎県五島振興局)
  • 日本地すべり学会誌,Vol.47,No.3,5,2010

概要

落石・岩盤崩落シミュレーションを用いて岩塊の崩落軌跡を適切に予測し評価するには,斜面の地形,岩塊の形状や大きさを適切にモデル化できる手法が望まれる. 3次元個別要素法における崩落岩塊のモデル化では,球要素を使用する方法が多く見受けられる. これに対して著者らは,形状や大きさがより実際に近いモデル化を実現するには多面体ブロックの適用が有効であると考える. 実業務でこれを適用するにあたり最も重要なポイントは,多面体ブロックが高速で複雑に斜面と衝突する状況においても耐える3次元の接触判定法を有することである. 本稿は,3次元個別要素法コード3DECに組み込まれている多面体ブロックのための接触判定法の有用性を明らかにした上で, 岩塊崩落による道路の被災が懸念される斜面に対して崩落シミュレーションを実施し,その適用性を検討した.
2010.更新
地すべりに対するトンネル坑口部の3次元有限差分法解析による合理的設計
  • 土木学会,トンネル工学報告集第19巻,pp.225-236,2009.11

概要

坑口が地すべりブロック内に位置し、掘削により地すべり土塊を貫通するトンネルを対象として、施工進捗に伴うトンネル掘削によるゆるみの発生、トンネル周辺地山の緩みの発生、 補助工法による緩み抑制効果を3次元有限差分法解析を用いて検討した。
2009.11更新
凍結融解作用を受ける火山灰土斜面の熱伝導/応力変形連成解析
  • 土木学会,第64回年次学術講演会,III-128,2009.9

概要

熱伝導/応力変形連成FEM解析手法を用いて火山灰土模型斜面の凍結融解実験を行い、実験結果との比較により数理モデルの妥当性の検証、 および地盤の凍結融解に関係する解析パラメータが寒冷地斜面の表層崩壊に及ぼす影響について検討を行った。
2009.09更新
小規模建築物を対象とした液状化対策の設計法に関する研究(その1)
  • 日本建築学会,2009年度大会(東北),B-1構造1,20307,2009.8

概要

小規模建築物を対象とした地盤調査から液状化対策の必要性の判断フローと補強対策方を提案し、それについて論じている。
2009.08更新
小規模建築物を対象とした液状化対策の設計法に関する研究(その2)
  • 日本建築学会,2009年度大会(東北),B-1構造1,20308,2009.8

概要

小規模建築物を対象とした液状化対策の効果について、有限要素法(FEM)による有効応力動的解析を実施し、過去に液状化によって不同沈下した建物の被害事例と比較検証している。
2009.08更新
岩塊の接触形態を考慮した3次元個別要素法による岩盤斜面崩落シミュレーション
  • 土木学会論文集C Vol.65,No.2,480-491,2009.6

概要

岩塊の軌跡を支配する主要なパラメータである反発係数に基づいて跳躍を適切に再現するために、岩塊と斜面の接触面積の変化を反発係数に反映させた接触機構の合理的な力学モデルを提案する。 そして落石現地模型実験や実際の現場斜面においてこれを適用して良好な再現結果を得ることができた。
2009.06更新
Coupled thermo-mechanical analysis for slope behavior during freezing and thawing
  • ISーKyoto,2009.05.

概要

This paper presents a new analytical procedure with a coupled thermo-mechanical FEM analysis to simulate the mechanical behavior soil slope during freezing and thawing.
2009.05更新
寒冷地斜面の凍結融解現象を対象とした連成解析方法の検討
  • 第12回岩の力学シンポジウム,2008.09.

概要

積雪寒冷地にある帯水斜面の安定解析手法を開発するために、縮小模型火山灰質土斜面の凍結融解実験を実施し、 寒冷地斜面の表層崩壊現象に及ぼす凍結融解作用の影響について検討するとともに、その数値シミュレーションを新たに開発した地盤の凍結融解現象を再現可能な 応力変形・熱伝導・浸透連成解析を用いて実施し、計算アルゴリズムに導入した支配方程式の妥当性や解析パラメーターの設定方法など解析方法の適用性について検証した。 その結果、凍結融解履歴を受けた帯水斜面は、土中水の凍結により凍結層と非凍結層の境界部に弱面が形成され、降雨時に表層崩壊を生じ易くなることを示した。 また、解析結果と実験結果の比較検討により、開発した連成解析手法の適用可能性を示した。
2008.09更新
有限差分法・大変位解析による地すべりシミュレーションの適用性

著者

中川光雄(地層科学研究所)・山田正雄(国土防災技術(株))
  • 日本地すべり学会誌,第44巻6号,pp.377-384,2008.03.

概要

地すべり現象は、すべり面を挟み移動層(地すべり土塊)と不動層の間での相対的なずれ運動が継続する現象である。 地すべり土塊の移動現象を数値解析により実際的に再現するには、すべり面でのずれ運動、 すなわち、相対変位が大変位となるまで継続する現象を安定してシミュレートできる手法を適用することが有効である。 本研究では、動的陽解法で定式化した有限差分法の地すべり移動解析への適用性について検討した。 そして、この手法を、地すべり崩壊に至った斜面及び再滑動型地すべりが発生している斜面に適用し、それぞれの斜面の特徴的な現象をほぼ再現することができた。
2008.03更新
3次元落石運動解析における軌跡の拡がりに関する検討

著者

西村強(鳥取大学)・福田毅(地層科学研究所)・橋本純成(鳥取大学)・木山英郎(鳥取大学)
  • 土木学会,第37回岩盤力学に関するシンポジウム講演論文集,pp.141-146,2008.01.

概要

落石に関係するリスクを評価する際には,数値モデルを用いることが多い. 解析結果の”もっともらしさ”は,数値モデルに用いられる入力変数(例えば,要素形状,速度比,斜面地形など)の不確実性や空間的な分布に影響を受ける. しかしながら,これらの因子が軌跡の拡がりに与える影響を系統的に解析した例は見当たらないようである. そこで,この研究では,著者らが開発した解析プログラムを用いて,地形や斜面表面などの幾何学的要因が与える影響について3次元解析を実施している. すなわち,平均勾配の異なる2つの面から成る模擬斜面地形を設定し,平均勾配の大きさと微視的地形変化に注目して解析している. 講演論文には,特に,水平方向への軌跡の拡がりと上記の2つの因子の関係をパラメトリックスタディとしてまとめている.
2008.01更新
逆解析を用いた情報化施工の高度化に関する一考察

著者

福田毅(地層科学研究所)、山田浩幸((株)鴻池組)、藤澤勉(東日本高速道路(株))、大村修一(鴻池・飛島特定建設工事共同企業体)、村上 章(岡山大学大学院)
  • 土木学会,第17回トンネル工学研究発表会,2007.11.

概要

情報化施工をより高度化するとの観点からは,幾つかの解決すべき課題がある. それは,段階掘削など三次元的な構造変化を伴うような場合に適用しにくいこと,時間とともに剛性が変化するクリープ変形が生じているような場合に適用できないこと, 岩盤の強度定数を推定することが難しいことなどである. このような問題点が解決すれば,例えば切羽前方の変位や地表面沈下など,多くの情報を用いた逆解析が可能となる. その結果,トンネル周辺の地山の状態を,より多くの情報を基に監視することができることとなり,情報化施工の高度化に寄与すると考える. そこで,筆者らは有限要素法にカルマンフィルターを適用した逆解析手法によって,これらの問題を解決することを試みた. 本報告では,研究開発の第1ステップとして,この逆解析手法の適用事例について述べた.
2007.11更新
岩塊の接触形態を考慮した3次元個別要素法による岩盤斜面崩落シミュレーション

著者

山田正雄(国土防災技術(株))、中川光雄(地層科学研究所)、鵜飼恵三(群馬大学)
  • 土木学会,第36回岩盤力学に関するシンポジウム講演論文集,2007.01.

概要

岩塊の軌跡を支配する主要なパラメータである反発係数に基づいて跳躍を適切に再現するために、岩塊と斜面の接触面積の変化を反発係数に反映させた接触機構の合理的な力学モデルを提案。 そして落石現地模型実験や実際の現場斜面においてこれを適用して良好な再現結果を得ることができた。
2007.01更新
大変形・動的陽解法に基づく斜面崩壊・地すべりシミュレーションの適用

著者

中川光雄(地層科学研究所)、山田正雄(国土防災(株))
  • 土木学会,第36回岩盤力学に関するシンポジウム講演論文集,2007.01.

概要

発生するすべり面の位置や抑止工の種類・数量・配置に基づいた変形や破壊現象を解析結果として直接表現することができれば、設計をより効果的にすることが可能であると考え、 本論文では、動的陽解法で定式化した有限差分法を地すべり斜面や深層崩壊斜面に適用し、逐次的に進展する崩壊挙動の再現性を示した。
2007.01更新
3次元個別要素法を用いた岩塊崩落挙動の予測

著者

山田正雄(国土防災(株))、中川光雄(地層科学研究所)、中谷紀行(国土防災(株))
  • 土木学会,第61回年次学術講演会,2006.09.

概要

実務における岩盤崩落や落石シミュレーションの多くは2次元断面で実施されている。しかし、自然斜面の横断形状は平衡斜面のみならず、 集水斜面や散水斜面など横断方向に尾根型や谷型の勾配を有する斜面が多い。 そのため横断面が勾配を有する一般の自然斜面を対象とした岩塊の崩落挙動を精度よく予測してこれを防護工設計へ適用できる数値解析手法の確立が望まれる。 本研究では、斜面や崩落岩塊の形状・規模を忠実にモデル化できる3次元個別要素法解析を実際現場へ適用し、解析結果よりその有用性および課題を考察する。
2006.09更新
大変形解析を用いた斜面の崩壊予測

著者

中川光雄(地層科学研究所)、蒋 宇静(長崎大学)
  • 土木学会,第35回岩盤力学に関するシンポジウム,2006.01.

概要

地すべりなどの斜面崩壊を評価するにあたり、ここ最近、変形に着目したいとの考えから有限要素法(FEM)の適用が議論されている。 しかし、静的に定式化された有限要素法では、すべり面を伴わない変形が主体の問題には有効であるが、明確な「すべり面を伴う破壊」の再現には困難がある。 本研究は、数値解析により斜面崩壊に対して直接的な評価を下すには正に斜面が崩壊した解析結果を得ることが必要であると考えて、 動的に定式化された大変形挙動の取り扱いが可能な数値解析法の適用性を検討した。 降伏後の崩壊挙動を表現できる本手法により、明らかな崩壊挙動や、刻々と崩壊していく過程での崩壊範囲の変動を再現することができた。
2006.01更新
Simulation of tunnel deformation by considering time dependency of rock strength
  • The11th International Conference of IACMAG TORINO2005(Italia),2005.06

概要

今後の社会資本の補修・対策工に対しては時間の尺度を入れた検討が必要であるとの観点から、本研究は、トンネル変状要因のうち塑性圧に着目し、 時間の経過に伴い地山強度が低下する時間依存性モデルを用いたトンネル変状解析を行い、 得られた結果に基づいて補強工を実施するための各種の判断を支援するシステムの開発を目指すものである。
2005.06更新
鋼管膨張型ロックボルトの力学的メカニズムに基づく作用効果と適用性について
  • 土木学会,第34回岩盤力学に関するシンポジウム,2005.01

概要

本研究では、鋼管膨張型ロックボルトの力学的メカニズムに基づいた作用効果と適用性を把握する目的で室内試験と数値解析を実施した。 まず、地山強度の相違が引抜耐力にどのように影響を与えるかを調べるために室内引抜試験を実施した。 次に、室内試験で得られた傾向を力学的なメカニズムの面から解明するために、数値解析により引抜試験の再現シミュレーションを実施した。 本引抜試験を対象とする解析では、高圧水による拡張の過程が表現できること、また、引抜耐力を明確に得るため耐力の限界後も載荷を続ける必要があり、 ボルト表面と地山との間の接触面に発生する大きな相対変位を表現することが求められる。 これらの点を考慮すると、解析手法としてはCundallらが開発した有限差分法(FLACコード)を適用することが最良と判断した。 最後に、試験および数値解析から得られた情報に基づいて、地山強度に対する鋼管膨張型ロックボルトの適用範囲を取りまとめた。
2005.01更新
Evaluation of mechanical properties of natural rock joints for discontinuous numerical analysis
  • ISRM International Symposium,3rd ARMS,2004.12

概要

本論文は、著者らが開発したデシタル制御型不連続面一面せん断試験機を用いて実施した試験結果に基づいて、自然不連続面の特性値を評価した一連のプロセスを示す。 この試験装置は、周辺岩盤からの拘束効果を考慮した岩盤不連続面の力学的特性を適切に求める際に周辺岩盤の垂直剛性の自動制御ができる垂直剛性一定でのせん断試験を行うことが可能である。 また、供試体は、現場から採取した不連続面を含むボーリングコアを利用するものであり、作成技術が必要である。 ここで開発した試験技術、特性値評価技術を適用すれば、不連続体解析における不連続面の物性値を合理的に決定できると考える。
2004.12更新
原位置トレーサ試験により得られる核種移行パラメータ値の不確実性について
  • 土木学会論文集 NO.778/Ⅲ-69,85-97,2004.12

概要

高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価は、検討に用いるモデルと入力パラメータ値の不確実性が計算結果に与える影響を定量的に評価することが重要な課題となっている。 これをうけて著者らは、スウェーデンのAspo島の地下研究所Hard Rock Laboratory内の単一割れ目内で実施された原位置トレーサ試験の結果に対して、 最尤推定法を用いた逆解析プログラムを用いることにより、核種移行パラメータの不確実性を評価した。 その結果、パラメータの不確実性は原位置トレーサ試験の結果から得られる濃度破過曲線の観測値のばらつきに起因する不確実性よりも、 試験結果の評価に用いるモデルに起因した不確実性の方が大きいことを示し、今後の課題として、不確実性の低減を実現する原位置トレーサ試験手法の必要性、検討していく旨を述べている。
2004.12更新
岩盤強度の時間依存性を考慮したトンネル変状シミュレーション
  • 土と基礎,vol.52 No.6 Ser.No.557,2004,06

概要

今後の社会資本の補修・対策工に対しては時間の尺度を入れた検討が必要であるとの観点から、本研究は、トンネル変状要因のうち塑性圧に着目し、 時間の経過に伴い地山強度が低下する時間依存性モデルを用いたトンネル変状解析を行い、得られた結果に基づいて補強工を実施するための各種の判断を支援するシステムの開発を目指すものである。
2004.06更新
DEVELOPMENT OF A 3D FEM SIMULATOR FOR COALBED TWO-PHASE FLOW WITH SORPTION/DIFFUSION
  • The ISRM Sinorock2004 Symposium “Rock Characterization,Modeling and Engineering Design Methods”, Three Gorges Project site in China, 18-21 May 2004.
    International Journal of Rock Mechanics & Mining Sciences vol.41,No.3

概要

メタンガスが石炭から脱着し、原生微小間隙から自然亀裂まで拡散することを考慮した、三次元有限要素法による地下水とガスの二相流シミュレーターを開発しました。 気液二相流連立微分方程式、圧力陰解プラス飽和度陽解法、対流卓越によって誘発される数値振動を解消するための風上手法および準定常吸脱着モデルなどを記述し、 計算例も添付して合理的な結果が得られたことを示しています。

Reprinted from Journal title, Volume number , Author(s), Title of article, Pages No., Copyroght(Year),with permission from Elsevier.
the International Jornal of Rock Mechanics and Mining Science.
2004.05更新
原位置トレーサー試験の逆解析による同定パラメータ値の不確実性評価
  • 原子力バックエンド研究,日本原子力学会,Vol.10 No.1-2,2004.03

概要

高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価においては、使用する解析モデルやデータの不確実性が、結果に与える影響を定量的に把握することが重要である。 著者らは原位置トレーサー試験結果に対して、移流・幾何学的分散・マトリクス拡散それぞれのパラメータを最尤推定法を用いた逆解析により同定し、 その値のもつ不確実性を評価・検討している。 結果、観測値と計算値の誤差に起因する不確実性が、モデルの設定条件に起因するパラメータの不確実性に比して小さいこと、 また、モデルの良否を選択する基準として情報量基準が有用であることを示している。
2004.03更新