斜面防災のための3次元解析
豪雨による不安定化の評価
地盤の変形と雨水の浸透を同時に解く手法が、変形‐浸透流連成解析です。FLAC3Dはこの解析機能を具備しており、雨水の浸透が地盤の変形挙動の及ぼす影響を表現することができます。 また、地盤の弾塑性挙動や大変形も考慮することができ、豪雨時における斜面の安定検討に適しています。豪雨による不安定化のメカニズム
豪雨により地表面より雨水が斜面に浸透し、地表面付近が飽和状態となったり地下水位が上昇します。 これにより、斜面の間隙水圧が増加し有効応力が減少することが地盤の不安定化の要因と考えられます。次図は、FLAC3Dによる解析例です。節点座標が刻々と移動する大変形解析ですので、斜面の不安定挙動をよりリアルに再現しています。


参考文献:蒋 宇静・田中利典・季 博・杉本 知史・中川光雄:応力-浸透流連成解析に基づく斜面崩壊メカニズムの解明と適用,資源・素材学会誌,pp463-470, 2012.
3次元連成解析による豪雨の影響評価
広域のモデルを用いて変形‐浸透流変形解析を行うことで、地形や地質の影響で豪雨に伴う不安定化が生じやすい斜面を抽出することができます。 下図は、1km四方程度の領域をモデル化し、豪雨により不安定化する斜面を調べた例です。 不安定化(塑性化)する場所が特定できることや、降雨の継続時間により塑性化する領域が拡大することがわかります。
