コラム(地質モデリング)

第2回 冨永英治(2021/10)



2.情報を集めよう[地質と地形のデータ]

地質構造モデル作成を始めます。モデル化する範囲を決めて、必要な情報を集めます。 「私たちの生活エリア=本社のある神奈川県」を対象に情報を集めていきます。

概要図

モデル化する範囲を決めましょう

地層科学研究所の本社は、神奈川県大和市にあります(上図参照)。(国研)産業技術総合研究所・地質調査総合センターの5万分の1地質図幅では「藤沢」エリアに大和市が含まれていますので、これを対象領域とします。範囲は、約20km四方です。「藤沢」エリア内で神奈川県大和市は北東方向に位置付けられ、本社は下図の赤丸付近にあります。 5万分の1地質図幅は(国研) 産業技術総合研究所ホームページ「地質図Navi」にて閲覧することができます。
(地質調査総合センターの地質情報データベースの利用条件等をご確認ください)

地質図ナビイメージ

出展:産総研・地質調査総合センター ウェブサイト
「地質図Navi」5万分の1地質図幅 表示例


<地質情報はどんなものがあるの?>
地質情報は、一般的に地質図で表現されることが一般的です。地質図とは、表土の下にどんなものが分布しているのかを色や記号で表しています。また、地質図に付随して、地質断面図があれば、地層の重なり方、厚さ、傾きなどを知ることができます。

5万分の1地質図幅のインポート

(国研) 産業技術総合研究所ホームページ「地質図Navi」からダウンロードしたGeotiff形式の地質図データには、位置情報(緯度経度)が含まれています。 Geo-Graphiaを起動し、表示座標系の環境設定([緯度経度座標]選択)をしてから、Geotiff形式の地質図データをインポートします。下図は、インポートの際に表示されるGeo-Graphiaのダイアログです。
参考:Geo-Graphia|便利な使い方|GISからサーフェスを作成

Geotiffインポートダイアログ

Geotiff形式ファイルインポートの際に表示されるダイアログ
(メニュー[作成]-[CAD]-[ラスターイメージ])


地質図情報は緯度経度の座標系ですが、地質構造モデル作成時には平面直角座標系を用いる場合が多いです。今回作成するエリアは、平面直角座標の第9系です。Geo-Graphiaでは、緯度経度座標から平面直角座標系へ変換することができます。(2021年11月以降のプログラム更新より使用可能)

地質図と地質断面図を表示させてみてみると、地表面だけでなく、地下の地層の重なり合いを確認することできます。例えば、標高が高い丹沢山系の方は、比較的地層が急な傾斜なため、地層が立っていることや、一方、平野の方は緩やかな傾斜になっていて、下に向かって何枚もの地層が重なっていることがわかります。
このように、地域ごとの特徴を調べていくと、地下(地層)のモデルを作る際にイメージしやすくなるのではないでしょうか。

Geotiff形式ファイルインポート例
Geo-GraphiaにGeotiff形式ファイルをインポートした例
(縦断面図を追加/高さ倍率2.25倍表示)

地形データのインポート

続いて地形データを追加して、立体的に見てみましょう。地形データは、公的機関により公開されているものや、独自にレーザー測量されたものなど様々あります。 今回は、国土地理院の基盤地図情報ダウンロードサービスより取得した約30m間隔で間引いたDemデータ(2次メッシュ・4つ分のデータ)を使用します。
(国土地理院・基盤地図情報ダウンロードサービスを利用の際は、利用規約等をご確認ください)
参考:Geo-Graphia|便利な使い方|基盤地図情報JPGIS(GML)形式データの読み込み

地形データ各種表示例

地形データ各種表示例
上段左:Demデータ(点/段彩表示)、上段右:面生成後、段彩表示
下段左:地質図幅、下段右:面生成後、地質図幅を貼り付け   


Demデータインポート後の画像を紹介します(上図)。高さ倍率5.06倍に拡大して、立体的な様子が際立つように表示しています。このように、地質図を地形に貼り付けることで、地質の来歴と地勢を組み合わせて確認することができます。
地質の特徴は、地形によく反映されていることが分かります。例えば、地形の凹凸が変化する場所は、地層が変化していることが多くみられます。
そのため、日常で何気なく、通っている急な坂や谷はもしかしたら、地層の変化を表しているかもしれませんね。どのような変化を経てきた土地なのかを想像するのが楽しくなりませんか?

次回は、モデル化する範囲の地形や地質の特徴などを紹介します。

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