高精度な計測
高精度温度計
業務協力を行っているインターテクノ株式会社が開発した高精度温度計測技術を活用し、計測サービスと計測技術開発の受託業務を行っています。 この計測技術を用いることにより、微弱な温度変化を明瞭に検知することができるようになります。地層科学研究所の各種技術と組み合わせることで、地下の温度分布の推定や地下水の流況の推定、地盤の熱物性の計測などがより身近なものとなります。
概要
地殻変動の計測分野などでは、水晶式の高精度温度計測などが行われており、0.0001℃の分解能が既に実現されています。 これらの技術は高価であるために、土木分野への応用は困難でした。インターテクノ有限会社は、 測温抵抗体を用いた高精度温度計測技術を開発し、0.001℃の分解能を持つ温度計測を身近なものとしました。 この技術の特徴は、次のとおりです。- ドリフトやノイズが極めて小さく、特殊な処理を行うことなく、安定して0.001℃の分解能を得ることができる。
- 消費電力が小さく、電池駆動による小型化や遠隔操作ユニットへの適用が容易である。
高精度温度計測技術
本計測技術では、計測器回路ドリフトが測定精度に影響しない独自アルゴリズムを採用しています。 本体測定器環境が氷点下、あるいは、高温度環境下に置かれても、測定器ドリフトは測定温度精度に影響しません。 センサーには、白金測温体抵抗(Pt100 Aclass)を4線式接続にて使用しています。 センサー自体の熱容量は非常に小さく、鋭敏に温度変化を捉えることが可能です。様々な応用技術
高精度の温度計測は、これまで困難とされてきた各種の技術を可能とします。例えば、次のような応用技術です。- 地表面からの地下の温度分布を推定します。地層科学研究所の熱伝導解析ソフトウェアG-HEAT/2Dを用いて、計算された温度分布と地表面付近(例えば1m深地温)を比較することで可能となります。
- 地下水流れによって運ばれる熱量は、G-TRAN/3Dにより推定することができます。雨水の浸透状況や浸透水の流出場所の推定に役立ちます。
- ヒーターなどで地盤を加熱し、地盤内の複数点で温度変化を計測することで、トモグラフィ的に地下の熱物性の分布を推定することができます。

