技術パッケージ

斜面防災のための3次元解析

岩盤崩壊の影響範囲の予測

岩盤崩壊の解析は、崩壊した岩塊が落下し影響を及ぼす範囲を推定するとともに、衝撃の度合いや対策工の妥当性を評価することを目的として実施されます。 3DECを用いることで、落下する岩塊を実物と同様にモデル化し、リアリティの高い解析を行って崩壊の影響評価を行うことができます。

崩落経路と対策工の検討(岩塊径0.3m~0.5mの事例)

傾斜が70°~80°の急崖を対象とした、3DECによる解析例を紹介します。 解析の対象となる崩落岩塊は、10個の多面体ブロックとしてモデル化しています。 斜面は、航空レーザースキャナ計測から得られた地形の数値標高モデル(DEM)を利用して、Geo-GraphiaによりTinを生成し、Tinで区切られたブロック集合体としてモデル化しています。
解析結果を見ると、斜面上部の急崖ではどの岩塊もほぼ同様の経路で直線的に落下していますが、落下中は岩塊相互の衝突が頻繁に発生しています。 そして、緩勾配となっている斜面の中部から下部にかけては、微地形の凹凸特性の影響を受けて個々の岩塊が横方向に広がりを呈して運動している様子がわかります。 落石防護工の計画範囲は、得られた崩落軌跡に基づいて決定することができます。

崩落岩塊のモデル化

崩落岩塊の運動状況

参考文献:中川光雄・山田正雄・中谷紀行,近重朋晃:合理的な接触判定法に基づく3次元個別要素法による落石・岩盤崩落シミュレーション,日本地すべり学会誌第,第47巻 第3号,pp147-154, 2010.