ユーザー訪問インタビュー

VOL.03 Easy-σ編

皆様には日頃より格別のご愛顧を賜り、心より感謝いたします。
このコーナーでは、弊社のソフトウェアをご利用いただいておりますお客様の声に耳を傾け、「お客さまに喜ばれるソフトウェアとは」について考えたいと思います。
今回は10年ほど前から、2・3次元弾塑性構造解析ソフトウェアEasy-σ を講義にてお使いの 東京大学大学院 工学系研究科 機械工学専攻 強度信頼性工学研究室 泉 准教授を訪問させていただきました。
インタビュー01
インタビュー
プロフィール
東京大学大学院 工学系研究科 機械工学専攻
強度信頼性工学研究室 泉 准教授
Easy-σ導入の経緯・・・
横山 本日はお忙しい中、ありがとうございます。また、日頃よりEasy-σのご愛用感謝いたします。先生には、大学の講義でFEM解析ソフトウェア「Easy-σ」をご利用いただいています。はじめに、導入の経緯についてお話を伺えればと思います。  
私の大学の同期で奥原というものが、日本ベンチャーキャピタルというところに在席していまして、投資先としてソフトブレーン社とお付き合いをしていました。彼から、そこで扱っている製品ということで紹介を受けたのがきっかけです
横山 今日では奥原さんは日本ベンチャーキャピタルの代表取締役に就任されていますね。
そうですね。時期的には今から10年くらい前で、彼が入社したばかりの頃でした。
横山 教育機関で私共のソフトウェアをご利用いただく場合、ほとんどの御客様は、研究の一環として購入されています。先生のように講義で利用いただくケースは皆無です。講義に利用されるご予定は以前からあったのですか?
当初より講義で活用したいと考えていました。研究室では昔からANSYSやABAQUSを利用しています。ただし、非常に高価なことから、講義にそれらを活用することは難しいと考えていました。そのような中、ソフトブレーン社より低価格で提供いただくことができました。現在は、ANSYSやABAQUSもアカデミックサービスが充実しています。私もANSYSを講義に活用しています。
横山 しかし、講義で活用されるにしても、ソフトウェアを利用する以上は操作の習得に時間を要すると思われますが、学生さんは問題無く使いこなしているのでしょうか?
汎用ソフトは機能が多く、操作性も複雑なので、短期では習得が難しく苦労している学生が多いのは事実です。一方、Easyσはだいたい2時間もあれば使いこなしていますよ。操作性が格段に良いこと、余計な機能がついていないところがポイントです。ただし、汎用性に乏しいことから、研究の場で利用するには不向きと言えるでしょう。紹介した奥原に言わせれば、300円程度の費用で誰でも直ぐに利用できるようにするべき、と言っていましたよ。(笑)
書籍の出版
横山 そう言えば、先生は今度、本を出版されるご予定と伺ったのですが。
これまでEasy-σを用いた講義を10年間行ってきました。それらを一冊の本として出版します。前半部は有限要素法の理論の説明とその演習問題、後半部は有限要素法のノウハウと実践的な解析の演習問題を掲載します。その中には、メッシュの切り方や、応力分布の見方なども盛り込まれています。
横山 教科書のようなもの、と理解してよろしいのでしょうか?
その通りです。私の教育現場で説明すると、理論は講義前半で行います。そして、後半はEasy-σの演習となります。演習の中では、実際に学生に応力解析の問題を出して、Easy-σを使って自分で解いてこいと指示をあたえます。例えばメッシュの大きさはどれくらいにしたほうがいいかとか、応力集中がどれくらいおこっているか?壊れるか?降伏するか?とか。じゃあ、どのように設計を修正すればうまくいくかを、試行錯誤して決めなさい、と。
そのような応力解析問題をいままで作ってきたので、その中の代表的なものを解答付きで書いています。この書籍をこのまま活用して解かせる、実習時に自分でソフトウェアを使って解いてみる、そういうことができるような問題集となります。また、ここでの解答はEasy-σの出力図や節点の値を利用しています。
横山 ありがとうございます。ところで、「理論と実務でつながる実践有限要素法シミュレーション -汎用コードで正しい結果を得るための実践的知識-」(森北出版)発売の時期と価格などは決められているのでしょうか?
時期は10月を予定しています。価格は3,000円程度を目指しています。学生が買うものなので、なるべく値段を上げてくれるなとお願いしています。
横山 弊社でも購入し、社員教育に活用させていただきます。
パスタブリッジコンテスト
横山 そのほか、先生のところでは、パスタブリッジコンテストなる催しを開催されていると伺いました。先日ホームページも拝見しましたが、大変ユニークな企画ですね。確か、数年前にはテレビ朝日のタモリ倶楽部で対戦されていましたね。
年に2度ほど開催しています。タモリ倶楽部は番組企画でした。あのような企画があれば協力します。この企画は、いろんなところで行われており、高専でもやっています。うちのより、ずいぶん規模は大きいです。以前に先方から話をいただいて、少々やり取りした後に十数校集められて、高専のパスタブリッジコンテストを開催されていると聞きました。
今度、中学校でやります。東京大学の付属の中学校がありまして、そちらで大会と言うより教育の一環として実施する予定です。
横山 構造強度の問題そのものですね。応力の集中する位置、破壊するところはどこか?その時の補強は?という話の。せっかくですから、シミュレーションソフトを利用して、事前に予測しながら作成するのも面白そうです。
事前のシミュレーションも実施していますよ。ビーム要素に物性値や境界条件を入力して簡単な解析を行っています。少なくとも、壊れる位置や補強の程度は予測できます。
横山 とても面白そうです。機会があれば、是非弊社もチャレンジさせてください。(笑)
必要となるサービス
横山 ところで、弊社では「新しいサービス」として、教育機関様向けにインストラクション付きのソフトウェア年間レンタル(アカデミックパッケージプラン)を開始しようと考えています。先生よりご意見をいただきたいのですが如何でしょうか?
私は難しいと思います。まず、値段が高い。機械系だと、ANSYSやABAQUSは既にその程度の費用で利用できます。あと、御社のソフトウェアだとインストラクションは無くても問題ないと思います。先ほども言いましたが、今の子供たちはソフトウェアの操作を覚えることはもの凄く早い。私が利用している操作マニュアルがあれば、1時間ほどで操作を覚えてしまいます。
それよりも、講習会のようなものを開かれてはいかがでしょうか。有限要素法の理論やノウハウ、基本的な解析が自分でできるようになるまでを講習会で学んでもらう。そういうものは需要が高いと思います。実際に、いろんな学会で、シミュレーションの講習会をやっています。おおよそ2日間程度で。ノートPCを持参してもらって、計算はそれを用いてやってもらう。
ただ、現在のところ、有限要素法に使える手ごろなソフトウェアがありません。そこを、Easy-σに期待しています。私の理想としては、最低限必要な公式のみ講義を聞いていただき、あとは問題集とソフトウェアを用いた実演方式が好ましいと思っています。3日間のサマースクールのようなイメージでしょうか。
もちろん、最終日にはテストを実施して、理解できているかをチェックする。合格するまで追試もやる。そのような形式が理想かと思われます。
横山 なるほど。ソフトウェア販売で儲けようといった時代は過ぎつつあるのかもしれません。企業は、利益の産み方を根底から考えなくてはならない時期にきているのでしょう。講習会については、前向きに検討したいと思います。Easy-σの件についても、開発元のソフトブレーン社と話を進めます。進展しましたらご連絡いたします。

本日は、大変参考になるお話を聞くことができました。御忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。

??? 後 日 談 ???

本インタビューの後、ソフトブレーン社の協力により、Easy-σの販売形態について話をする場を設けていただきました。その結果、先生の書籍発売と同時期に、ライセンス管理にとらわれない形態でのソフトウェア提供に踏み切ることとなりました。今後、どのような展開になるかは不明ですが、これまでの形態にとらわれない、新しい発想を基にしたサービスが実現できることを皆様へお知らせいたします。 泉先生ありがとうございました。
Easy-σを教育機関向けに提供しています。
詳細は[2次元有限要素法解析ソフトウェアEasy-Sigma 2D Lite]ページへ
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