ユーザー訪問インタビュー

VOL.02 G-TRAN/3D for Dtransu-3D・EL 編

皆様には日頃より格別のご愛顧を賜り、心より感謝いたします。
このコーナーでは、弊社のソフトウェアをご利用いただいておりますお客様の声に耳を傾け、「お客さまに喜ばれるソフトウェアとは」について考えたいと思います。
今回は2004年に販売を開始した3次元移流拡散解析ソフトウェアG-TRAN/3D for Dtransu-3D・EL に焦点を当て、三菱マテリアルテクノ株式会社/富山氏を訪問させていただきました。
インタビュー01
インタビュー
プロフィール
三菱マテリアルテクノ株式会社 富山氏
地下水の起源推定にシミュレーションを活用・・・
横山 本日はお忙しい中、インタビューにご協力いただきありがとうございます。富山さんとはもう5年程のお付き合いになります。G-TRAN/3D for Dtransu-3D・ELに関するお問い合わせをお受けしたのが最初だと記憶しています。  
富山 たしか、平成16年の秋口くらいでした。以前にDtransuを利用していまして、関係者から地層研さんが専用のインターフェイスを作製したという情報を聞いたのが、問い合わせのきっかけです。
当時は客先指定でFEFLOWを用いて解析を行っていたのですが、何分ポスト処理に難点がありまして。その時の情報でしたから、タイミング的には非常に助かったわけです。
おかげ様で仕事を取るとき安心して取れるようになりました。現在はソルバー部をDtrunsu、インターフェイスはG-TRAN/3D。シミュレーションに関してはこの組み合わせで作業を行っています。
横山 ありがとうございます。G-TRAN/3D for Dtransu-3D・ELは(株)ダイヤコンサルタント様よりご依頼を受け、インターフェイスの作製に取り組んだわけですが、現在は一般企業他、大学、研究機関といった複数のユーザー様にご利用いただいています。ソルバーのネームバリューは偉大ですね。(笑)  そういえば、御社では非常にユニークな問題にシミュレーションをご活用と伺いましたが。
富山 はい。最近の面白い話題としましては、地下水の起源推定にシミュレーションを活用しました。もちろんシミュレーションだけでは、机上の空論となってしまいます。そこで、安定同位体比分析や溶存イオン濃度の測定、リモートセンシングなどを組み合わせることにより、シミュレーション精度の向上と、その検証を行ったわけです。

横山 非常に興味深いお話ですね。もう少し、詳細にお尋ねしてもよろしいでしょうか。
富山 ははっ(笑)、良いですよ。ご存じの通り、シミュレーションでは境界条件の設定が非常に大切になります。その中でも、「降雨浸透率」、ここに我々は注目しました。年間の降雨量などは実測のデータがあるわけですから、それを用いることで降雨量は設定できます。しかしながら、その中のどれくらいの量が地中に浸透したのか?この条件を設定するのは、非常に厄介です。そこで、現地の衛星画像を用い、地表からの可能蒸発散量を算定し、浸透率を決定しました。また、現地の地下水を摂取し、安定同位体比やトリチウム濃度を測定しました。安定同位体比は、降水地の標高が高いほど軽くなりますから、安定同位体比を測定することにより、大凡の降水地を求めることは可能です。トリチウム濃度は大気循環より外れた期間を測定するために用いました。
横山 それで、結果としては、シミュレーション計算値と実測値の値は一致したのですか?
富山 はい。これが、面白いほどに一致しました。安定同位体比分析では水素、酸素共に、標高2,000メートル以上の斜面に浸みこんだ降水であることが分かりましたが、シミュレーション結果も同様に、摂取地へ流れてくる粒子は標高2000メートル以上のものでした。また、降水が地下に浸透した時期も、シミュレーション結果とトリチウム濃度が一致したわけです。
横山 なるほど、しかし、それほどまでに地下水の起源にこだわるご依頼主様とは一体?
富山 はい。これが、面白いほどに一致しました。安定同位体比分析では水素、酸素共に、標高2,000メートル以上の斜面に浸みこんだ降水であることが分かりましたが、シミュレーション結果も同様に、摂取地へ流れてくる粒子は標高2000メートル以上のものでした。また、降水が地下に浸透した時期も、シミュレーション結果とトリチウム濃度が一致したわけです。
横山 キリンさんですか?ビールや飲料水の。
富山 はい。キリンディスティラリー株式会社様の富士御殿場蒸溜所にて採取されている地下水についてご依頼を受けたわけです。詳しくは、キリンホールディングス様のWebサイトをご覧ください。
横山 ということは、場所は富士山なのですね。では後ほどゆっくり拝見させていただきます。我々もソフト販売だけでなく、シミュレーション業務もお手伝いしていますが、その殆どは公共事業の一部です。シミュレーション事業の新たな可能性を教えていただいた気がします。また、シミュレーションの検証に安定同位体比やトリチウムの分析をおこなわれるあたり、技術力の幅広さを感じることができます。
富山 ご存じの通り、弊社は2008年の4月に合併し、三菱マテリアルテクノ株式会社となりました。それに伴い、従来の「地質」「水理」「資源」「分析」などの技術に、「水処理設備」や「プラント」といった技術が加わりました。それによって、トータルエンジニアリング&コンサルタント会社として、一環したサービスを提供することができるようになりました。
本当に大事なことは・・・
横山 合併と聞くと、人員削減や、賃金格差問題など、ついつい、暗い面に目が向きがちですが、両者の持つ技術を一つにすることで、これまでにない、新しいサービスを提供することができるようになる。また、それらは新たなビジネスのチャンスにもつながるわけですね。大変良いお話ですね。
それでは最後になりますが、今後、富山さんがお考えになる、求められるソフトウェアについてお話をお聞かせいただけますでしょうか。
富山 そうですねぇ。全体的な話からしますと、やはりモデリングには大変な労力を要してしまいます。もう少し、モデル化が楽になるようなソフトウェアがあるとありがたいと思います。
また、作成したモデルに航空写真などを取り入れることにより、より具体的にプレゼンテーションへ臨むこともできます。そのあたりが充実してくれると言うことなしですね。G-TRAN/3Dに限って言えば、境界条件の設定などが三次元画面でなく、二次元画面上で行えるとうれしいです。結構時間かかるのですよ。それと、バックエンド機能、なんかもあると嬉しいです。
横山 なるほど。G-TRANに関しては、早速、開発陣と検討します。また、モデリングに関しては、現在Geo-Graphiaというソフトウェアを開発中です。詳細は、後日ご紹介させてください。非常に便利になりますよ。
富山 ただね、私が考えることは、ソフトウェアで便利になることは非常にありがたいことですが、本質は人材の育成が第一。そう思います。シミュレーション一つをとっても、モデルの作成から物性値の入力、境界条件の設定など、技術者の力量によって結果は様々です。何故にそのようなことをやらないと行けないのか。と、いった動機付けから、問題を解決するためのコンサルティング能力まで、一つ一つ、次の世代へ伝えていくことが非常に重要なことだと認識しています。
横山 おっしゃる通りですね。私どもの代表も、同様のことを申しておりました。私も未だ若い部類に属すると考えております。期待を裏切ることの無いよう、日々を充実したものにしていきたいと考えております。 本日富山さんへインタビューしたことにより、改めて、実感することができました。
本日はお忙しい中、まことにありがとうございました。
一覧へ戻る